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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (10)

  • 意識をめぐる論点メモ

    9月8日の現代思想×保守×リフレのトークイベント用の備忘録。去年のクリスマスイブにやった稲葉振一郎さん、山形浩生さんと僕との公開討論会での稲葉さんの発言を(ご人の了解はないがw…稲葉さんに差し支えがあったら無念だけどこのエントリーは削除するですw)以下に特に注目すべき個所である「意識」をめぐるところをまず引用。 稲葉:いまのSFの中で一番人気があるテーマは「意識」なんです。意識論の土台にあるのはデイヴィッド・チャーマーズのゾンビ論とか意識のハードプロブレム論です。チャーマーズという哲学者もドーキンス・チルドレンであって、意識という別の実在問題があるということを言っていて、それで何がしたいかというと、デネットの心の哲学の批判をしたいわけです。デネットの心の哲学はドーキンスに影響を受けていて、意識というのは情報プロセスであって、情報プロセスというのは物理プロセスで生命現象と連続線上にあるとい

    意識をめぐる論点メモ
    Nihonjin
    Nihonjin 2012/08/19
    「「意識」を語る」はラバージの話が俺には面白かった。
  • 平成大停滞と女性の暮らしの変容(講演会資料)

    平成大停滞と女性の暮らしの変容 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授) 2011.12.3(民主党東京都連男女共同参画委員会総会講演会) 平成大停滞とは? 名目GDPでは91年と現状ほぼ同じ⇔デフレの長期継続 デフレの何が悪か? →デフレ期待による消費、投資、実質債務、財政収支などの長期的低迷。失業、雇用環境(非正規雇用の増加促進)などへの悪影響。円高シンドローム。 原因は? (1)構造問題説 (2)循環的要因(政策の失敗⇔日銀行問題) 00年代後半から現状→三段階の負のショック(06年の日銀の政策転換の景気減速、リーマンショックへの無策、東日大震災での日銀無策+増税路線) 女性の雇用状況 完全失業率:平成元年2.2%→現状4% 非正規雇用者<パート・アルバイト・派遣・契約・嘱託>比率の上昇:37.9%(90年)→54.5%(現状)。90年代は01年まで一貫して上昇。02年以降50%

    平成大停滞と女性の暮らしの変容(講演会資料)
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/12/16
    「貧困固定層の8割は女性。学歴での貧困層と安定層の格差は歴然(中卒は7割は貧困経験、大卒は8割安定)。配偶者のいない女性で子供をもっている人の貧困の割合は深刻(8割超。固定貧困も深刻)」
  • パーサ・ダスグプタ『経済学』 - Economics Lovers Live 2008-08-10

    特に日人による経済啓蒙書の類*1では頭が捻りすぎてスジを違えそうな岩波書店の出版物の中で、最近出たもっとも良質の経済書。 書の冒頭にあるように、よくある大部の経済学教科書との対比を意識してて、発展途上国の問題、環境問題など、現実的な話題の中で経済的思考を問うものになっている。同様の啓蒙書では、例えば僕がよくお手にしているハーフォードの『まっとうな経済学』などがあるのでそれと併用して、その後で経済学の割とスタンダードな構成の教科書(マンキューの下に上げたもの)をやるといいんじゃないか、と思う。 ところでこのダスグプタののシリーズにビンモアのゲーム理論のもあり、このは名著なので早く翻訳が望まれる。 経済学 (〈一冊でわかる〉シリーズ) 作者: パーサ・ダスグプタ,植田和弘,山口臨太郎,中村裕子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/07/25メディア: 単行購入: 4人

    パーサ・ダスグプタ『経済学』 - Economics Lovers Live 2008-08-10
  • 阿部彩・國枝繁樹・鈴木亘・林正義『生活保護の経済分析』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    自分のいまの研究で、「生存権の経済学」あるいは「生存権の社会政策」をどう経済的に基礎づけるのか、という関心から書を購入して数日前から読んでいる。しかし、このはそういう理論的な側面だけではなく、所得保障一般についての事実や実証分析を豊富に収録していて、類書がほとんど日にはないだけにきわめてすぐれた業績ではないか、と思う。 とくに生活保護制度と隣接している年金、医療などの諸制度との関連、負の所得税などの制度設計と労働供給との関係、ホームレスの実態調査と経済的インセンティヴ(労働供給モデル)との関連、など多くの話題が邦語では書だけでしか単行ベースでは読むことができない重要な話題が目白押しである。 たぶん最近出された経済書の中では、その今日的な問題意識と分析レベルからいって屈指の書籍といっていいのではないだろうか? 僕もまだ全部は読みきっていないけれども、「日貧困」に関心がある人はま

    阿部彩・國枝繁樹・鈴木亘・林正義『生活保護の経済分析』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • ■[話題]川井徳子『不動産は「物語力」で再生する』

    川井徳子さんとは10年来の知人であり、以前からその歴史的な感性と素養に裏打ちされた現代の日をみる視点には、はっとさせられることが多々ありました。今回、川井さんの初めての著作である書を一読して、いままで川井さんとの対話で得てきたものがほんの氷山の一角であることを知りました。書は、難しい「不良債権」物件を見事に甦らせる若き女性経営者の逸話という形を一応は借りています。例えば、荒廃した名庭園―何有荘を復活させ、それをクリスティーズを通して世界市場で売却し、日でも過去にない市場を開拓した手腕、あるいは不良債権を競売で得て、いまや『ミシュランガイド 京都・大阪・神戸・奈良2012』で二つ星のホテルとして掲載されるまでの素晴らしいホテルとして再生したその手腕、そういった経営物語としても、このは読むことは可能です。しかし書には、表題にあるように「物語力」、それは川井さんの言葉を借りれば、人間

    ■[話題]川井徳子『不動産は「物語力」で再生する』
  • 僕がミクロ問題を考えるときのひとつのベース

    関連する下のエントリーも参照してください。 この論説で権丈氏は以下のように経済研究の位置づけをしいてる。 「経済研究というものは、経済現象にまつわる事実と制度を正確に調べ、そこで何が起こっているのかこれからどのように変化していくのかに想像をめぐらせ、それらの現象と関連のある複数の価値の間の優先順位を付ける判断の連続、しかもその時代時代における利害の対立、権力の分布を詳しく知り、その力の分布図をアダム・スミスが『道徳感情論』で言う公平無私な第三者の立場から俯瞰的に眺めた上で、リアリズムのある問い、分析と総合、判断の連続という作業から成り立っている」 では、各論としてはどうか。例えば働く人の立場を考えるときに権丈氏は「縁付エジワースボクスダイヤグラム」が便利な考察手段であるとしてそれを用いて彼の労働市場観を開陳している。その点については僕も下に自分の考えを書いた。 「この縁付きエジワースボック

    僕がミクロ問題を考えるときのひとつのベース
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/09/23
    ブクマ5400
  • 反主流の経済学

    26日の藤田さんのミュルダール研究についての会合でコメントするのでこれから数日は、その関連エントリーで。基的に藤田さんのと僕らの監修・訳したバーバーの『グンナー・ミュルダール』(これためになるなのでぜひ一読を)についてのダブルでコメントの予定。 ところで藤田さんの業績で、根井雅弘編著『わかる現代経済学』に収録された「反主流の経済学」という一文がある。このがでたときは、こんなおちゃらけエントリーを書いていたが(笑)、ちょっといまは藤田さんのところだけ真剣読み。 この「反主流の経済学」とは新古典派経済学に代表される主流経済学を批判する(といっても僕の私見だと日では主流経済学が傍流で、反主流といわれるのが主流だけどね、あーしんど)異端の制度派経済学に対象を絞っている。 まずアメリカ制度学派の伝統として、ヴェブレン。主流派が人間の選択と行動を「単一の選好順序」によって決定していることに批

    反主流の経済学
  • 勝山実『安心ひきこもりライフ』

    とてもいいだ。ひきこもり歴20年という著者が書いたこのの基的な視点は、書の言葉でいえば「ひきこもり資産」の活用だろう。経済学では人的資という考えがあるが、これは労働を投資によって生産性を高めることができる資という見方である。それに対してこの「ひきこもり資産」は、人的資の見解とは対立している。どんなに「ひきこもり資産」に投資(=ひきこもり)しても生産性を高めることには結び付かない(まあ、絶対ではない。なぜなら著者自身この著作という「成果」を得ているわけだから)。 「ひきこもり資産」が蓄積していけば、ひきこもりの経験知を整理し、それを人に伝えることができるかもしれない。あるいはそのような整理・伝達行為が、他の人たちのひきこもり資産の低位安定を引き上げたり、またはひきこもり行為だけではなく、別な非ひきこもり行為との間でのいずれの立場をとるかという選択をする機会をひろげるかもしれない

    勝山実『安心ひきこもりライフ』
  • 八田達夫「送電網は新規事業者に開放を 原発は政府が管理すべき」in『週刊東洋経済』

    Twitterに書いたことをほぼそのまま掲載。 日の電力問題(原発問題含む)をもっとも入門レベルで解説しているのが、八田達夫先生の「ミクロ経済学?」(東洋経済新報社)。そこでは送電と発電の分離、電力自由化の効用などが独占理論の枠組みで解説されている。これはぜひ読んだ方がいいと思う。簡単だし。 その八田先生の『週刊東洋経済』での議論はこの入門レベルの上にたって今日の東京電力問題についてスタンダードな批判と問題提起をしたものと思う。日の原発政策の最大の問題は文民統制の失敗ということだと指摘している。 ちょっと引用。「日の原子力政策を策定する原子力委員会(内閣府に設置)のトップは、原子力工学の大物教授であり、同門出身者が電力各社、設備会社、経済産業省の原子力事業や政策を担う。つまり、中立を装っているが、陸軍大学の教授に戦争の最終決定を委ねているようなものだ」 すごいきつい表現で、間接的だが

    八田達夫「送電網は新規事業者に開放を 原発は政府が管理すべき」in『週刊東洋経済』
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/04/06
    『ミクロ経済学?』
  • 震災復興をめぐる財務省、日本銀行、官僚的政治家への批判(雑感)

    Twitterで朝つぶやいたものをあまり直さず掲載。 FRBのPreventing Deflationという論文がある。昔、『エコノミスト』に部分訳と岡田さんの解説が収録されている。この論文はFRBが日のデフレの経験に学んだとされるもの。いまも何度も読む価値がある。 このFRB論文を読み直すと、いまの日の状況を考えるときに非常に参考になる、というか、私たちは同じ失敗を規模を数倍してくりかえしているとしか思えない。この論文では阪神淡路大震災のおきた95年が日の決定的な岐路だったことを指摘している。つまり長期停滞への岐路だ 93、94年の金融政策がきわめて重要だったが、やはりそのときも日銀行は大規模な金融緩和の決意に遅れたしまった。FRB論文では「93から94年にかけての時期が、金融政策にとって決定的に大切な時期だったかもしれない」している。 FRB論文は日銀の態度をこう指摘する。日

    震災復興をめぐる財務省、日本銀行、官僚的政治家への批判(雑感)
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/03/30
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