ギリシア人の産出した文化の一つに修辞学がある。それはなかんずくアテナイ文化において――プラトンの伝えるようにアテナイ人は言葉を愛し、多く語ることを好んだ(φιλ※[#鋭アクセント付きο、U+1F79、380-上-9]λγ※[#鋭アクセント付きο、U+1F79、380-上-9] τ κα※[#重アクセント付きι、U+1F76、380-上-9] πολ※[#鋭アクセント付きυ、U+1F7B、380-上-9]λογο)――極めて重要な位置を占めていた。しかし今日、修辞学はほとんどまったく閑却されている。アリストテレスの諸著作のうちでも修辞学に関する書は恐らく最も研究されないものに属している。これに対して現代の哲学においてはなはだ大きな意義を獲得するに至ったのは解釈学である。解釈学はもと文献学の方法であるが、今日それは哲学の一般的方法にまで拡げられ高められている。解釈学もギリシアの啓蒙時代に修辞学