手厚い少子化対策で知られるスウェーデンでさえ… 約20年前、オーストラリア政府は、ピーク時に子供1人あたり約6000ドル(約79万円)に相当する現金を支払う「ベビーボーナス」プログラムを試みた。 キャンペーンが開始された2004年当時、国の出生率は女性ひとりあたり約1.8人だった。 このプログラムにより、2008年までに出生率は約2.0まで上昇したが、プログラムが終了してから6年後にあたる2020年までに、数値は1.6まで低下。つまり、プログラムが最初に導入されたときよりも下がった。
![出生率を改善させる政策はない…各国の過去数十年のデータから見えてきたこと | 北欧でさえ少子化を脱却できず](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b28333f4ae39a0767fd305fb29867c4d8dfd99db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2023%2F02%2F16080118%2FGettyImages-186575709-e1676469735369-1600x900.jpg)
「予言者」ユヴァル・ノア・ハラリ これから挙げる動画のなかでは、大成功を収めた『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリに対して、とても驚くべき質問がされている。 「いまから100年後、私たちはまだ幸せになろうとしていると思いますか?」──テレビ番組「アジェンダ・ウィズ・スティーヴ・パイキン」における、カナダのジャーナリスト、スティーヴ・パイキンの質問。 「自分が何をするかというのはまだ重要なのでしょうか? そしてどのように未来に備えればよいのでしょうか?」──アントワープ大学で言語を学ぶ学生からの質問。 「『サピエンス全史』の終わりには、『私たちは何を望みたいのか』を問うべきだと書かれています。ハラリさん自身は、私たちが何を望みたいと思うべきだと考えますか?」──TEDダイアローグ「ナショナリズムvsグローバリズム:新たな政治的分断」における聴衆の質問。 「ハラリさんはヴィパッサナー
フランスで、学校でのいじめを「犯罪」とする新法が3月2日より施行される。被害者の自殺・自殺未遂があった場合、加害者には最大で10年の拘禁刑が科される可能性がある。フランスの法学博士・弁護士が、新法制定の成果と今後の課題を仏紙「フィガロ」で解説した。 ネットいじめの深刻さを認めない当局 学校でのいじめはいまに始まった問題ではなく、被害者の数も何百万人といる。数字を見ると頭がクラクラするほどだ。 フランスでは毎年、約10人に1人の子供が学校でいじめの被害に遭っているというのだ。学校に通う児童・生徒の数が1200万人だとすれば、いじめの被害者は100万人を超す計算になる。もちろんこれはフランスに限られた話ではない。ユネスコによれば、学校でいじめられた経験がある児童・生徒は世界全体で30%を超えるという。 フランスの行政法の判例を見ると、公立学校でいじめられた子供が自殺した場合、教職員がいじめの事
35歳の若さで台湾の蔡英文政権に入閣し、デジタル担当大臣としてのコロナ対応も担うオードリー・タン氏。迅速なコロナ対応が話題となったが、中東メディア「アルジャジーラ」のインタビューに語ったのは、コロナ以上に深刻な課題だった──。 ──台湾でのコロナ対策は世界的に見ても迅速でした。コロナの「接触履歴追跡システム」の開発など、デジタル面でコロナ対策にどのように関わったのでしょうか。 私の力というよりも、「g0v」(gov zero:市民社会や政府のプロジェクトに取り組む活動家のオープンソース運動)のコミュニティの成果物の一つです。ポイントはアプリを使わないシステムにしたことです。台湾では、高齢者を含む大半の人が、携帯電話やスマートフォンを持っています。しかし、およそ2割の人がアプリをダウンロードしてインストールし、使いこなすスキルを会得していません。 そのため、国内で最もポピュラーなコロナ対策ア
日本の終戦記念日は8月15日だが、アメリカでは日本が降伏文書に署名した9月2日を「戦勝記念日」としている。そのアメリカに住んでいると、日米開戦の引き金となった真珠湾攻撃について尋ねられることがある。ニューヨーク在住で日米中の歴史に詳しい作家の譚璐美氏は、つい先日もそんな質問を受けて……。 留学前に日本の歴史を学ぼう コロナ下の東京オリンピックが終わり、間もなく終戦記念日がやってくる。日本では8月15日、ラジオで昭和天皇が玉音放送を行い、「ポツダム宣言」を受諾したことを国民に告げた日を終戦記念日としている。これに対してアメリカでは、9月2日、東京湾に停泊した米戦艦ミズーリ号の甲板で、日本が連合国軍に対して降伏文書に署名した日を「戦勝記念日」としている。 私が長年アメリカに住んでいるせいか、日本の大学生からしばしば、「アメリカへ留学したいのですが、どんな準備をしたらよいですか?」と聞かれること
国際オリンピック委員会(IOC)のフォン・ボッタクリ男爵と金ぴかイカサマ師たちの間では、いつの間にやら、日本を自分たちの足置き台として使おうということで決まっていたようだ。 だが、日本は五輪開催に同意したとき、主権まで放棄したわけではない。東京での夏季五輪開催が国益を脅かすのなら、日本の指導者たちはIOCに対し、略奪はよその公国へ行ってしてくれと言うべきである。 中止はつらい。だが、それが弊風を正すことにもなるのである。 フォン・ボッタクリ男爵、別名トーマス・バッハIOC会長とそのお供の者たちには悪癖がある。それは自分たちをもてなすホストに大散財をさせることだ。まるで王族が地方にお出ましになったとき、そこの小麦が食べ尽くされ、あとに残るのが刈り株だけになるときのような話だ。 日本国民の72%が、このパンデミックの真っ只中に国外から1万5000人のアスリートや五輪関係者をもてなすのは嫌であり
「東京五輪中止」スクープ記事やコラムなどで注目されている英「タイムズ」紙東京支局長のリチャード・ロイド・パリーが、大好きな花見の季節にどうしても言いたいことがあるという──。 パンデミック対策の心苦しい仕事のひとつが、なぜ人を死なさなければならないかを決めることだ。権力を持つ人は誰もそれを認めたがらないが、これは避けて通れないことでもある。 人が大勢で集まることになれば、たとえどんなに厳しい予防措置をとっても、感染リスクを完全に取り除くことは無理だ。感染者の一部はやがて発症者となり、発症者の一部はやがて重症者になり、その重症者のなかから死亡する人が出ることになる。 死者をひとりも出さないつもりなら、私たち全員が例外なく、完全に引きこもるしかない。感染症がどこかへ消えるまで、仕事にも買い物にも出かけず、社交もしないのだ。 もちろん、それは不可能な話だ。そんなことをすれば即座にうつ状態になる人
「公正で持続可能な経済モデル」とは? コロナ危機後、経済はどのように変わるのが望ましいのだろうか。ピケティが提言するのは、気候変動対策と不平等是正の二つを組み合わせた「いまよりも公正で、いまよりも持続可能な経済モデル」への転換だ。 財源には、米国やドイツで注目されている「富裕層の資産への累進課税」を使うべきだというのがピケティらしい。一部の環境保護論者が、気候変動対策を重視するあまり、格差問題が悪化しかねない環境政策を提言しがちなのとは一線を画しているのだ。 「富を社会の上位集団に集中させたほうが、経済を効率的に運営できる」というネオリベラリズム(新自由主義)のイデオロギーに批判的なのがピケティの立場である。 2019年9月にフランスで出版した『資本とイデオロギー』(未邦訳)では、富裕層の私有財産に課税して得た税収を財源にして、国民が25歳になったら一律で12万ユーロ(約1400万円)を支
ジョージ・フロイド死亡事件を受けて、アップル社のCEO、ティム・クックが従業員に宛てた内部メモの全文が、6月1日、米経済メディア「ブルームバーグ」に掲載された。その緊急全訳をお届けする。 米ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性を殺害した同事件については、全米のみならず世界各地で激しい抗議運動が起きている。これについて、世界的企業の白人CEOが語ったこととは。 チームの皆さん いま、わが国の魂に、無数の心に、深く刻まれた痛みがあります。団結に向けて、お互いのために立ち上がらねばなりません。ジョージ・フロイドがむげに殺されたことによって、またここまで連綿と続いてきた人種差別の歴史によって正しくもわき起こった恐れや痛みや怒りを受け入れねばなりません。 あの悲痛な過去は、今日そこにまだあります──暴力の形としてのみならず、日々経験する根深い差別のなかに。私たちの刑事司法制度のなかに。アフリカ
ロンドン生まれ。インディアナ大学卒、ハーバード・ロースクール修了。 シリコンバレーの弁護士から会社経営に転じた後、1994年にスティーブ・ジョブズ自身から声をかけられ、ピクサー・アニメーション・スタジオの最高財務責任者兼社長室メンバーに転進。ピクサーでは事業戦略の策定とIPOの実現を担当し、赤字のグラフィックス会社だったピクサーを数十億ドル規模のエンターテイメントスタジオへと変身させた。のちにピクサーの取締役にも就任している。 その後、会社員生活に終止符を打ち、東洋哲学と瞑想を学ぶとともに、それが現代社会とどう関係するのかを追求する生活に入った。いまは、このテーマについて文章を書いたり教えたりしている。また、そのために、ジュニパー基金を立ちあげ、創設者のひとりとして積極的に活動を展開している。カリフォルニア州パロアルト在住。いまは妻のヒラリーとふたり暮らしである。
近年の研究で性暴力の抑止には女性に用心を呼びかけるより、現場に居合わせても危険な兆候を傍観しがちな第三者の意識を変えるほうが効果が高いことが明らかになっている。 こうした研究結果を受けて、アメリカではすべての人に当事者意識を持ってもらうことを目的とした「第三者介入トレーニング」が広がりを見せている。 傍観者にならないための第三者介入のやり方で、一般社団法人「ちゃぶ台返し女子アクション」も掲げている「3D」がある。 ・DIRECT(直接介入)=直接干渉し、事態の悪化を止める ・DELEGATE(委譲)=別の人に助けてもらうようお願いする ・DISTRACT(気を紛らわす)=注意をひくような“邪魔”を意図的に作り出し、問題となりうる状況を和らげる なかでもDISTRACTは気軽にできるやり方だ。 たとえば、飲み会の席で上司からセクハラを受けている同僚がいたとする。そこで直接介入ができない、ほか
性犯罪の被害者が沈黙せざるを得ない日本の社会を変えなければならない──実名も顔も出して自らもレイプに遭ったことを明かしたうえで訴え続ける伊藤詩織に、おそらく誰よりも強く共感している女性がいる。東京都下の小さな町でつましく暮らす44歳の主婦だ。 彼女は長い間封印してきた自らの忌まわしい体験を伝えようと、伊藤に長い、長い手紙をしたためた。伊藤に、そして一人でも多くの人に伝えたい、どうしても伝えなければいけないと思うことがあるからだ。 拝啓 伊藤詩織様 テレビやウェブマガジンなどであなたの身に起きた出来事を知り、ご著書『ブラックボックス』やクーリエ・ジャポンの特集「性暴力はなぜ起こる」も拝読しました。堂々とお顔もお名前も出して闘っているあなたに、匿名でお手紙を出す失礼をどうかお許しください。 Me too. 私も性犯罪の被害者です。今から25年も前のことになりますが、ローマで日本人の女子大生6人
週7日働かされたことも ワー・ヌ(27)がミャンマー中部の村をあとにして日本へ向かったのは2017年末のことだった。岐阜県の縫製工場での職を仲介してくれた業者に手数料を払うため、34万円近くを借金した。 日本での高額な給料だけが魅力だったわけではない。先進技術を誇る国で、新たなスキルを学べるチャンスに期待を膨らませた。 しかし、日本で彼女に与えられた仕事は、段ボールに衣服を詰める単純作業だった。週6日、朝7時から夜10時まで、同じ作業を繰り返した。深夜まで働かされたり、週7日勤務になったりすることもあった。 それで月給は6万円。約束されていた額の半分しかなかった。 おまけに上司は彼女を怒鳴り続けた。 「過酷でした」と、ワー・ヌは言う。 「ストレスと不安の毎日でした。あの日々を言葉でどう表せばいいのかわかりません。ただただ泣いていました」 米国務省「人身売買報告書」が技能実習制度に言及 ワー
2017年6月9日、アップルのティム・クックCEOがMITの卒業式に登壇し、学生たちに向けてスピーチをおこなった。その全訳をいち早くお届けしよう。 MITの皆さん、こんにちは! そして、2017年卒業の皆さん、おめでとうございます。 MITとアップルには、多くの共通点があります。どちらも難問に取り組むこと、そして新しいアイディアを模索することが好きなところです。特に、世界を変えられるような、とてつもなく大きなアイディアを発見するのが大好きです。 「ハック」と呼ばれるイタズラは、MITが誇る伝統のひとつですね。これまでに、数々の見事なイタズラに成功してきました。学生たちがどんな手を使ったのか全然わからないのですが、構内に火星探査機を放ったり、ドームにプロペラ付きの帽子をかぶせたり、大統領のツイッターを乗っ取ったり(笑)。あれが大学生の仕業だとわかるのは、大半のツイートが午前3時頃に投稿される
幼児教育の投資収益率は7% 現代社会において、幼児教育の重要性は誰もが知るところであり、世界中の親が愛する子供のために最高の教育を与えたいと考えている。 また、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学教授のジェームズ・ヘックマンによれば、幼児期に1ドルを投資した場合、その子が成人した際に社会に還元される額は7ドルになるという。つまり7%の収益率があるということになるが、これは米国の株式市場のそれよりはるかに高い数字だ。 経済成長の観点からも、幼児教育は非常に大きな意味を持っているといえる。 だが、いつ、どんな環境で、何を教えればいいのかと悩む親は少なくない。 ブラジル人の映画監督エステラ・ヘネルがUNICEF(国際連合児童基金)などの協力のもと制作した『命の始まり』は、そんな悩み多き子育て世代に幼児教育の正しい在りかたについて、有益な示唆を与えてくれる。
「わからないこと」ばかりのこの社会で問題を解決するのに、情報や知識だけでは少しも役に立たない。いちばん大切なのは、無駄なことも、関係がなさそうなこともひたすら考え抜く「グルグル思考」だ――。NHKでチーフ・プロデューサーを務める村松秀さんが、人気番組『すイエんサー』で注目された「真の知力」を身につけるやり方を教えます。 無駄でもいいから、グルグル考えよう 「女子高生アイドルたちが、東大生や京大生たちに、『知力勝負』で圧勝した!!」 そう聞いても、多くの読者は信じられないに違いない。 だが、それは紛れもない事実なのである。 しかも、まぐれではない。 女子高生アイドルたち「すイエんサーガールズ」は、東京大学・京都大学・北海道大学・東北大学・九州大学の理系学生たちと「知力の格闘技」という知力対決を計9回行い、なんと5勝4敗と勝ち越しているのである! まったくもって、大変なことが生じているのだ。
触った物がすべて黄金に変わる 「コンウェイ群」が発見されたのは1969年頃のことだが、コンウェイ自身はこれを四捨五入して1970年とするのを好む。この1970年をコンウェイは「驚異の1年」と呼んでおり、この約12ヵ月の間に「超現実数」も発見した。 超現実数は、取るに足らないゲームで飽きもせず遊んでいたことから生まれた、予想外の副産物だった。コンウェイはあるとき、ゲームで遊んでいるうちに、大きなゲームは小さなゲームを足し合わせたものだと気づいたのである。 彼はまず、ゲームの「脱構築」を始め、それぞれのプレーヤーの動きを分類し、どのプレーヤーがどれだけ先に進んでいるのかを見極めようとした。 また、大きなゲームの中にある小さなゲームを足していくようなこともした。そんな分析を続けていたら、その過程で、「超現実数」に行き当たることになった。 それは、鳥の絵を眺めていると思ったらいつの間にかそれが魚の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く