(英エコノミスト誌 2012年7月7日号) ドイツ最大の自動車メーカーがライバル企業を大きく引き離している。 1993年にフェルディナント・ピエヒ氏が最高経営責任者(CEO)としてフォルクスワーゲン(VW)にやって来た時、事態は深刻に見えた。VWは支出過剰、人員過剰、非効率に陥っており、品質に対する評判を失っていた。 以来、状況は一変した。昨年、VWグループの利益は2倍以上に拡大し、過去最高の189億ユーロ(238億ドル)に達した。他の欧州量産車メーカーが工場閉鎖や人員削減を模索する中で、VWは欧州市場でシェアを伸ばし、中国で急成長を遂げ、米国で復活劇を演じている。 同社は2016年までに新型車と新工場に760億ユーロの投資を行う予定だ。全世界の従業員数は50万人以上に上り、増加し続けている。 再建を果たし、世界帝国を築くピエヒ会長 現在は会長だが、今もしっかり経営のハンドルを握っているピ