あなたは、ある中堅SIerの開発部長だ。会社は受託システム開発をなりわいとしており、有名ではないが堅実な経営を続けている。そんなあなたはある時、突然社長に呼ばれて、こう言い渡される。 「君には明日から、わが社のCIOになってもらいたい。これまで外の顧客の仕事をずっとしてもらってきたが、明日からは経営者の一員として、わが社の情報システムを見てもらうつもりだ。紺屋の白袴じゃないが、我々の社内IT利用は、十分とは言えない。君には是非とも、これまでの外販の経験を活かして、イノベーティブなITの仕組みを作ってもらいたい。単なる業務の効率化だけではなく、新しいビジネスを生み出せるようなITの仕組みを、だ。」 経営者の一員、すなわち役員に抜擢された訳だ。とても誇らしい気持ちになる。しかし社長室を出て自分の席に戻ると、あなたはだんだんと大変な役回りを引き受けたらしいことに、気づき始める。わが社にとってイノ
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