冬が長かった分、今年の春はあっという間に来て、あっという間に去っていった。桜が咲くたびに、彼といった花見のことを思い出して、なきたくなる。とりわけ実際にいつか二人でいった場所の景色をみると、涙があふれてくる。 それだから4月開催となった今年のOSC神戸へ出るために、4月半ばの阪急神戸線へ乗り、思い出すのは二人で乗った・開通したばかりの95年4月1日の神戸線やあるいは友人たちといった夙川公園の花見、もうだいぶ桜も散ってきた六甲の山並みに、二人で結婚一周年の記念に行ったことを思い出し、電車のなかで幾度も涙が出た。 3月11日の地震のあと、震災関連の報道はしばらくほとんど見なかった。わたしたちが結婚したのは95年の阪神大震災の直後で、それぞれ住んでいた場所はさして影響を受けなかったとはいえ、友人知人にいろいろ被災した人はいて、だから阪神の震災を受け、またそこから復興していく街の記憶は、これから二