今年もまた緊急輸入「品不足のため、販売はお1人さま1個までとさせていただきます」 今年春から夏にかけて、こんな「お知らせ」の表示が、全国各地のスーパーや食料品店の乳製品売り場に掲げられた。数年前から繰り返されている「バター不足」の告知だ。バターが品切れになり、代用品としてマーガリンを大量に置いている店舗もことのほか目立っていた。 農林水産省は今年5月、バターが7000トン以上不足するとみて、クリスマスを控えて需要が高まる10月までに、約1万トンを緊急措置として輸入すると発表した。不足が顕著になってきたのは2008年からで、実は昨年も2回にわたって計1万トンの緊急輸入を実施している。 緊急輸入を担うのは農水省ではなく、独立行政法人「農業畜産振興機構」が独占して行っている。国内のバターの消費量は年間7万~8万トンで、うち毎年1万トン前後を輸入してきている。関税が高いため、民間での輸入はわずかし