環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が31日に大筋合意できなかったことは日本の通商戦略にとって大きな打撃となる。安倍晋三政権は自由貿易の推進を成長戦略の柱として位置付け、TPPなどメガFTAと呼ばれる巨大自由貿易協定の拡充に注力している。だが、牽引役のTPPがここにきても合意に失敗したことで、他のメガFTA交渉も失速が避けられない。 日本が進めるメガFTAには、TPPのほか欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と日中韓FTAがある。 EUと進めるEPA交渉では日欧の首脳が5月の会談後に出した声明で「2015年末までの合意」を目指すと宣言した。実現すれば、世界の総貿易額の約35%を占めるメガEPAとなり、TPPの約25%を上回る。 ただ、日欧の関税交渉は昨年4月に品目ごとの撤廃や引き下げ提案を出し合って以来、にらみ合いが続く。RCEPも年