伊藤たてお はじめに2004年(平成16年)秋、「グランドデザイン」が発表されたときに一つの期待がありました。 しかし、その「グランドデザイン」がやがて「障害者自立支援法案」となり、具体的な内容が少しずつ明らかになるにつれ、疑問と問題が次々に出てきました。特に「応益負担」が大きな問題点ですが、全体として法案の内容が「自立支援」の理念と乖離しているように思えます。 「難病患者も身障並みの福祉サービスを」という強い願いがあることは事実ですが、「難病」の定義が明確でないままに難病が自立支援法の対象となることは、現在の難病=特定疾患という枠を固定化させることになりかねないからです。「難病」といっても国が研究対象に指定している「難治性疾患克服研究事業」(■表2■)の「121疾患プラス関節リウマチ」だけではなく、まだ他に多くの難病があり、その数すら明確ではありません。ましてその中から医療費の公費負担の