「過労死等防止対策推進シンポジウム」(主催・厚生労働省)が11月6日、東京都千代田区のイイノホールで開かれ、早稲田大の黒田祥子教授(労働経済学)が、長時間労働の一因に「おもてなしの過当競争」をあげた。 黒田教授は、海外勤務の経験者に聞き取り調査をしたことがある。そこから見えてきたのは、日本のグローバル企業が「きめ細やかなおもてなし」や「丁寧さ」を日本の強み、付加価値だと位置付けているということだった。 しかし、丁寧な対応には、ある程度の長時間労働が避けられない。その結果として、「おもてなしの過当競争」が起こり、割の合わない長時間労働が生じているという。 「おもてなし」に価値が置かれ、過度なサービスが求められるようになると、長時間労働に舵を切る会社が次々に出てくる。残業しない会社は客を確保できずに損してしまうため、全体の労働時間が長くなっていく。 「24時間対応サービスやお急ぎ便など、200