再び、佐藤亜紀『小説のストラテジー』を読む。 著者曰く、必然性のない店の名前や商標は、小説の古典的な技法では確かに避けるべきものだとされているけど、もし、小説の中でお茶をするのにスタバでもケンタでもなくドトールに行く必然性が、読み手にもはっきり感じられるなら、ちゃんとドトールと書くべきだ、と(105頁)。 必然性とは例えば、地理的な位置とか、客筋とか、その雰囲気とか、になるらしい。 この必然性というものを、著者は強く問うている。 実に正統派な意見ですな。 そういや、ポーの詩論も、こういった「必然性」を重視していましたよね(自作・『大鴉』を用いて。) ドトールの場合チェーン店だから、地理的な位置というのは難しいかもしれない。 客筋と言うのも、難しいし、雰囲気ともなると・・・どうなんだろ。 ケンタッキーとかだと、鶏肉を食べさせる店なのだから、その食べ方によって人物の性格や特徴を引き出すことが出