「私たちが何も恐れずに、平和な時代に生きているのは、特別なことなのかもしれない。私たちの親や祖父母の世代はこんなぜいたくは享受できなかった」 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のあと、フィンランドの市民がつぶやいたことばです。ロシアとの国境は約1300キロ、実に札幌ー福岡間の直線距離と同じくらいの長さです。 ロシアに脅かされてきた北欧の国では今、軍事的に中立の立場をとり続けるべきなのか議論が活発に。なぜなのでしょうか? フィンランドとロシアの関係は? 人口が約550万のフィンランドに対し、ロシアは1億4000万人以上。フィンランドの歴史は、隣国の大国とどう向き合い、独立国家として生き残っていくのか模索する歴史でもありました。 1917年、ロシアから独立を果たしましたが、その後の第2次世界大戦では当時のソビエトから軍事侵攻を受けました。 “わが国の安全が脅かされる” ウクライナ侵攻でも繰り返
【ニューヨーク=平田雄介】ロシアのウクライナ侵攻をめぐる5日の国連安全保障理事会では、ウクライナのゼレンスキー大統領が「安保理解体か、ロシア排除か」と安保理の改革を強く迫ったが、ほぼ全ての理事国が沈黙した。拒否権を持つロシアの侵攻で機能不全に陥り、ウクライナを救済できない安保理に向かうゼレンスキー氏の怒りは、安保理を中心とする国連の平和維持構想に改めて重い課題を突きつけた形だ。 この日の会合で安保理改革に賛意を示したのはケニアだけだった。米国のサキ大統領報道官は記者会見で、ゼレンスキー氏の「不満は共有する」としながらも、「ロシアの安保理での地位が変わることはない」との見方を示した。他方、同氏が迫る改革に対し「かえって平和維持機能を弱める」との慎重意見さえある。 国連憲章は、安保理について、国際平和と安全を維持する主要な責任を有すると定める。その意思決定に拒否権を持つ米英仏中露の5常任理事国
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