ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (10)

  • 都会に残るプチ神社に息づく伝統の美学

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔4月15日号掲載〕 私は東京で暮らすうちに、街を全速力で移動する方法を身に付けた。ここではやることがいろいろあって、ゆっくり周囲を見回す時間などない。それでも時折、個性的な建築物に出くわすと、思わず立ち止まることがある。 私が完全に足を止めるのは、歩道の脇にある小さな神社に出会ったときだ。あまりにも小さくて、ほとんどの通行人は気に留めないが、私はいつも立ち止まる。周囲のすべてに逆らい、聖域の空間を主張しているようなたたずまいに心を引かれるからだ。 もちろん、広大な敷地を持つ神社仏閣もたくさんある。でも私の琴線に触れるのは、当にちっぽけな神社だ。繁華街の新築ビルのはざまに鎮座する小さなは、周囲の環境とにらみ合いを続けているように見える。銀座にある小部屋サイズの神社の石の鳥居は、まるで6階建ての2棟のビルの間で必死に踏ん張っているようだ。 もっと広い

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    REBEKKA 2014/04/24
    足を止めるかどうかは別として。東京だけでなく日本人は見ていないようで結構見てる。だから小さな街中でも掃除されてたり道端のお地蔵にお供え物があったり。素通りしながらも存在を知ってたりするのよね。
  • 世界に誇る地下鉄の一元化に大賛成!

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔3月4日号掲載〕 東京の地下鉄には、どんな都市も嫉妬するだろう。ほとんどの駅は私の家のキッチンよりきれいだし、車内の床はピクニックができるほど清潔。運行ダイヤはスイス製の時計並みに正確だが、ちゃんと人間味もある。 電車が駅を出る際は、乗客が車内に納まったことを駅員が確認して車掌に伝える。改札には必ず礼儀正しく親切な駅員がいる。乗客の安全は最終的に、機械ではなく人の手に委ねられている。 機械まで礼儀正しい。切符を買うたび、発券機のタッチパネルに現れるキャラクターが「ありがとうございます」と頭を下げる。電子メールすら人に代わって機械が自動発信する現代社会で、人間味あふれる地下鉄は新鮮だ。 九段下駅など、小さな「図書館」が設置された場所もある。乗客が読み終わったを構内の棚に置いていき、別の乗客が借りていく。知の共有が大切にされてきた日ならではの伝統だ

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    REBEKKA 2014/03/13
    確かに利便性や合理的見地からだと一元化のが良いのだろうけれど、個人的にはそればかりではないと思うのよね。全てが同じ雰囲気になるとつまらないというか何というか…
  • 雑踏にもまれて知った東京の捨て難い魅力

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔1月21日号掲載〕 あるときランチタイムに四谷の中華料理店に入ると、店内はいっぱいだった。相席で何とか腰を落ち着け注文をした。ところが、また1人客が私たちのテーブルにやって来たので、その客の座る場所を空けようと奥に詰めたときにうっかりしょうゆの瓶をひっくり返してしまった。 他の客たちは慌てて紙ナプキンでしょうゆを拭き取ろうとした。店員もおしぼりを手に飛んできた。彼女がテーブルを拭けるよう私がトレイを持ち上げると、何と今度はトレイに載っていたかき玉汁をこぼしてしまった。店員は新しいおしぼりを取りに走り、私は目の前の惨事を収拾しようと焦りつつ、平謝りに謝った。 相席の客たちは怒るどころか気の毒そうな顔をした。「あなたのせいじゃないですよ。こんなに狭くちゃねえ」。店員も申し訳なさそうに何度も謝った。もちろん、彼らは私がガイジンだから大目に見てくれたのだ。

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    REBEKKA 2014/01/29
    狭い空間では自分の動作の距離感てのも必要だからねぇ。外国の人にはちょっと気が行かないよね。
  • ケータイ至上主義が日本文化を壊す

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔12月10日号掲載〕 マナーの良さで知られる日人も、携帯電話の力には逆らえないようだ。東京で地下鉄に乗ったり、通りを歩いたりするときには、携帯の画面に見入っている人々の間をスキーの回転競技のようにすり抜けなくてはならない。ネオンが輝く街なかでも、人々は暗闇の中を探るような足取りで歩き、周りに注意を払わない。外の世界が名刺サイズに縮んでいる。 ある朝早く、私は若い女性が子供を自転車に乗せて保育園に送っていく間に、携帯にメッセージを打ち込んでいるのを目撃した。彼女にとって携帯は、子供や周囲の人々より大事なもののようだった。 誰しも電車の中で、他人の電話の会話を聴かされるという不快な経験をしたことがあるだろう。他人のリビングルームに突然連れ込まれたような気分になる瞬間だ。 こうした行動は将来に影響を及ぼす。生物学者によると、人体はライフスタイルの変化に適

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    REBEKKA 2013/12/22
    文内の音楽に対して言うならば、本を画面でつるりと読むか、頁の感触とともにその世界を進めてゆくかというのにも通じる気がする。
  • 納豆もラーメンも食べる外国人は特殊じゃない!

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔11月19日号掲載〕 先日、ラーメン店のカウンターで昼をべていると、隣の年配男性に話し掛けられた。「ラーメン、お好きですか?」 私が「ええ、あなたも?」と聞き返すと、「そりゃ日人ですから好きですよ!」と、男性は笑った。「私もです」とこちらも返してから、私たちは再びラーメンに向き直り、麺をすすった。 こういうやりとりは日常茶飯事。目の前に「日文化」があると、私は感想を聞かれるのだ。日文化当の意味で楽しめるのは日人だけだという意識は根強く、質問攻めにされることもある。日酒は好きですか? 寿司は? 納豆は?夜は風呂に漬かります? ちなみに塩辛は苦手だが、日人でも塩辛が苦手な人は多い。だからといって、その人の日人らしさが薄まるだろうか。塩辛の好き嫌いが示すのは文化の理解度なのか、それとも個人の嗜好なのか。普通の日人より頻繁にラーメン

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    REBEKKA 2013/11/25
    あくまで個人的意見としてだけど、基本的に日本人は日本の文化の雰囲気を生活からの延長で捉えているから、外国の人にはなかなか理解できないのでは?と考えてしまうのだと思うのよ。
  • 仏紙の風刺画は被災者を傷つけたか

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月8日号掲載〕 2020年東京五輪が決まった直後、フランスの週刊紙カナール・アンシェネが日で五輪が開催されることを皮肉った風刺画を掲載した。福島第一原発の放射能汚染で手や足が3になった力士が相撲を取る漫画だ。これを受けて、菅義偉官房長官は「東日大震災で被災した方々の気持ちを傷つける。汚染水問題について誤った印象を与える不適切な報道だ」と述べ、この風刺画に対し公式に抗議した。 フランスのメディアが日政府の怒りを買うのはこれが初めてではない。昨年10月にもフランスのテレビ番組が福島原発事故に関連する同様のジョークを放送し、物議を醸した。 フランスには長い風刺の歴史がある。1881年の出版自由法以来、フランスでは滑稽でひどく残酷な風刺画が発達してきた。誰かの悲劇や苦境をからかうのも表現の自由の一部と考えられている。権力者を皮肉るだけにとどまらず

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    REBEKKA 2013/10/15
    こういうのは国民性の違いではあると思うけれど、日本で読まれたとしたら、きっと軽く受け止められはしないと思うよ。
  • 嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月30日号掲載〕 6月30日、私は最近話題になっている嫌韓デモに行ってみた。このデモは東京の新大久保で何年も前から、毎週日曜日に行われているものだ。私は不安を胸に家を出た。自分の身も心配だったが、新大久保の人々のことも、日の対外イメージのことも心配だった。 実は新大久保はサンフランシスコのチャイナタウンやパリの日人街と同じような「観光スポット」だ。外国人にとって、新大久保のコリアンタウンを歩くことは伊勢丹新宿店の地階と同じくらい楽しさと驚きに満ちている。伊勢丹が日がいかに洗練されているかを示しているとすれば、新大久保の街が示しているのは日が外国人に対してフレンドリーで開かれた国であり、他国の文化が生き生きと存在できる国だということだ。 だがデモのせいで、新大久保は日が外国人にとっていかに不快な国になり得るかを象徴する場所となった。嫌韓デモ

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    REBEKKA 2013/08/17
    様々な問題はてんこ盛りではあるけれど、それでも少しでも日本が良い国でいられたらとは思うよ。
  • 未来志向と伝統回帰が混ざり合う街の不思議

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔7月2日号掲載〕 ニューヨークやロンドン、パリといった世界の大都市を訪ねると、出会うのはたいていリベラルな人たちだ。でも東京は違う。どういう人と出くわすか予測が付かない。とても未来志向な人もいれば、過去にとらわれたままの人もいる。 東京は世界一リベラルな都市なのか、それとも世界一保守的な都市なのか。いや、その両方なのか! 先日、伝統的なスタイルの結婚披露宴に出席した際、私はある出席者と、とてもリベラルな会話を英語で交わした。日企業はもっと世界に門戸を開き、変化を受け入れるべきだと、彼は熱弁した。私たちが話している間も、その部屋では堅苦しい敬語だらけのスピーチが続いていた。そして伝統的な披露宴に少し国際色を添えた外国人の私も、日語で堅苦しい祝辞を述べることに。やはり東京のリベラルと保守の関係はややこしい。 アジアで、東京ほど外国人に居心地がいい街

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    REBEKKA 2013/07/12
    両方の良いところで漂ってるって感じかしらねぇ。うーん。ちょっと日和見っぽいところもあるけれど。 ただ、どちらの理解に対しても柔軟性は必要だわよね。
  • 愛情と知恵があふれる東京はアドバイス天国

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔9月7日号掲載〕 東京の夏が終わって一番ほっとするのは、秋の涼しい風を感じることではない。「夏のアドバイス」の幕が下りることだ。 私は人一倍、暑がりで汗かきに見えるのだろう。暑さと湿気対策のアドバイスを引き寄せる体質のようだ。東京で会う人は口々に涼しく過ごす方法を教えてくれる。冷たい水を飲みなさい、温かいお茶を飲みなさい、抹茶アイスをべて、鰻(うなぎ)をべて、扇風機のそばに座ること、扇風機のそばに座らないこと......。 どれも善意からなのだろうが、すべてに従おうとすると少々骨が折れる。今年の夏もカビの掃除や日よけの作り方、水分補給など、教わったアドバイスをすべて実行できればよかったのだが。 東京に来たての頃に教わったアドバイスで秀逸だったのは、店頭にメニューが出ていない店(値段が高過ぎる)と、サンプルにほこりがたまっている店(たぶんおいしく

    愛情と知恵があふれる東京はアドバイス天国
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    REBEKKA 2011/09/12
    当然小姑よろしくは感心しないけれど、アドバイスは自分で必要かそうでないかを決められる分、自由に選択できるのがいいところよね。
  • 東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 最近はタクシーに乗るたび、運転手とこんなやりとりをする。「お国は?」「フランスです!」「フランス? 3月11日からの原発危機でフランス人は日からいなくなったと思ってましたよ」 原発事故が発生してからフランス人は一斉に日を脱出したと思われている。私もその1人だ。 私は取材で3月12日に福島と仙台に入り、19日まで滞在。19日に東京に戻り、フランス政府が在日フランス人の一時帰国用に用意したチャーター機に乗った。そして3月30日にまた東京に戻ってきた。今後もここにいる、という決意とともに。 私が日を離れたのは、フランスにいる家族のためだ。彼らが福島の原発事故のニュースを見て大騒ぎしたことが、在日フランス人の出国パニックの引き金になった。パリに向かう機内で話をした人のほとんどが「親を安心させるため」に帰ると言っていた。 在日フランス大使館は緊急に24時間

    東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」
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    REBEKKA 2011/05/30
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