バンクーバー冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプで8位に入賞した国母(こくぼ)和宏選手(21)には、複雑な思いを抱いた人も少なくないのではないか。 国母選手は日本選手団の公式ウエアのズボンをずり下げる「腰パン」スタイルや謝罪会見での反抗的な態度で厳しい批判を浴びた。橋本聖子団長が諭し、「結果を出すことでおわびを」と出場させた経緯がある。 試合後、服装問題の影響を聞かれた国母選手は「全くない。気にしていたらやっていられない」と語った。批判を真摯(しんし)に受けとめたとは言い難いと、あえて苦言を呈したい。 1998年の長野大会から冬季五輪の正式種目となったハーフパイプは若者の人気を集める競技だ。円筒を半分に割って横に倒した形状の雪面をブランコのように往復し、両側の壁の頂上付近や空中にいる間に様々(さまざま)な技を競う。 冬季五輪への関心を高めた貢献の半面、五輪を必ずしも最高の舞台とはしない独