牧さんに初めて会ったのは、1981年にP-ROMライターを発売した時で、名古屋の自宅兼工場を訪ねた。以来、その発想力、行動力には圧倒され続けてきた。現在は海外市場の開拓に全力を上げている最中だが、海外に出ていかない限り日本企業に大きな未来はないのだから、ぜひ成功させてもらいたいものだ。久しぶりに会って、「この人なら大丈夫だな」と改めて感じた。【取材:2007年11月30日、バッファロー東京支店にて】 ※編注:文中の企業名は敬称を省略しました。 ●アルバイトのはずが、そのまま就職 奥田 牧さんて、早稲田大学では応用物理学を専攻、大学院では半導体の表面物性を研究していたんですよね。普通なら半導体業界に進むのでは? 牧 私のいた研究室は、半導体業界ではそれなりに名前が通っていましたから、通常なら引く手あまたで、行きたい企業に就職できたはずなんです。ところが、私が大学院を卒業した197