東京電力福島第一原子力発電所で16日、2号機の圧力容器内の圧力が、ほぼ大気圧の水準まで大幅に低下した。 原子炉の最高水準の気密性が失われ、強力な放射性物質が外部に漏出し始めた恐れがある。3、4号機では使用済み燃料貯蔵プールの水が枯渇する恐れが高まり、政府は自衛隊ヘリによる水や薬剤の空中散布を決めたが、上空の放射線が強すぎるため、この日の散布を断念した。世界の原子力史上も極めてまれな危機が複数の原子炉で同時進行するという、想像を絶する事態となってきた。 原発の周辺では15日夜から放射線量が上がり始め、深夜に毎時8・1ミリ・シーベルトを記録。その後、16日朝にかけ一度下がったが、3号機で白煙が上がるなどした後、午前9時40分頃から再び上昇し始め、同10時45分には同6・4ミリ・シーベルトとなった。16日午前11時50分現在、同2・6ミリ・シーベルトとなっている。 東電は16日午後、3号機で発生