外務省が2月、危険情報で最もレベルの高い「退避勧告」を出している西アフリカ・ニジェールへの「冒険ツアー」を企画した東京都内の旅行会社に対し、ツアーの取りやめを求めていたことが分かった。同社は要請を受け入れず、ツアーを予定通り実施した。同省は今後、旅行業界に対して危険地域へのツアーは取りやめるよう、働きかけを強める方針だ。 この旅行会社が企画したのは、2月中旬から下旬までの約2週間の日程で、首都ニアメーから、サハラ砂漠があるアガデスなどを回り、登山や市内観光を行うツアー。十数人が参加した。同省と観光庁がツアー実施前の2月上旬から複数回にわたってツアー中止を要請したが、同社は「ニジェール軍にも警備を要請するなど、安全対策はとっている」と説明し、ほぼ当初予定通りに実施した。 ニジェールでは外国人の誘拐事件が多発していることから、アガデスなどの地域では退避勧告、ニアメー周辺地域でも2番目に危険