埼玉県熊谷市で2011年、両親を殺害し自宅に放火したとして、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた長男で無職の羽鳥浩一被告(43)=群馬県太田市=の裁判員裁判の判決が3日、さいたま地裁であった。栗原正史裁判長は「被告人が犯人であると認定するには、合理的な疑いが残る」として無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。 羽鳥被告の起訴内容は、11年3月10日、熊谷市の自宅で父親の平吉さん(当時68)と母親の輝子さん(当時69)の首を絞めるなどして殺害し、翌11日、自宅に火をつけたというもの。羽鳥被告は捜査段階から関与を否定。公判でも「両親は心中した。放火は、誰かが侵入してやった」などと無罪を主張していた。 判決は、首の骨が折れていた輝子さんについては他殺と認定する一方、解剖で急性硬膜下血腫が見つかった平吉さんの死因については「何者かの攻撃で生じたとまではいえない」と指摘。2人とも持病を抱えていたこと