──各国が大きく変貌する中で、日本をめぐる環境はどう変化しますか。 2050年の世界をさまざまな角度から見渡したとき、日本が直面する課題は大きく3つある。人口動態、地政学あるいはナショナリズム、そして教育だ。 現在70億人の世界人口は50年までに90億人になっている。そして100億人を超えた後は漸減していく。それまでに日本は有史以来の最長寿社会となっている。半分以上の日本人が52歳以上になり、勤労者が税金などで支払う政府予算にとって重い負担となる。定年をたとえば70歳に引き上げたとしても、依然として年金や医療制度に多大なプレッシャーになる。 世界中で高齢化が進むが、日本の事例は極端だ。それでも少しだけましなのは、なお富裕国であり続けること。中国では一部に富裕層がいるが、人口1人当たりでは貧しい。一人っ子政策のため、国が豊かになる前に年老いてしまう。中国は今まで30年間、医療制度が労働人口の
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