ブックマーク / ryotsunoda.hatenadiary.org (17)

  • 窓の下に裕次郎がいた - imprinted-agers’ blog

    窓の下に裕次郎がいた―映画のコツ、人生のコツ 作者: 井上梅次出版社/メーカー: ネスコ発売日: 1987/12メディア: 単行購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る映画監督、井上梅次についてどんなイメージがあるだろうか?日活で石原裕次郎の映画を何か撮り、その後各社を飛び回り、香港まで行き、テレビの土曜ワイド劇場で江戸川乱歩シリーズを手がけた、節操なくなんでも撮る早撮りの監督。――くらいだろうか。 しかし、このを読むとそれがひっくり返る。この人がいかにクレバーな職人だっただけでなく、プロデューサー的な視点を持った理論家だったかがよくわかる。決して無節操な映画人ではないことがわかる。 150以上の映画と200近くのテレビ映画を作った来た井上梅次(うめつぐ)は、1923年、京都に生まれる。高校は、マキノ雅弘、山中貞夫、内川清一郎を輩出した京都一商。慶応大

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  • ゾディアック - imprinted-agers’ blog

    フィンチャーの映画について前から思っていたけど、その考えが決定的になったのは、オープニングの新聞社のシーンだ。ゾディアックの手紙が届くのと、主人公が出社する風景のカットバック、誰が撮っても格好良くなるはずのシーン。観客が映画にぐいぐいと引っ張られるはずのシーン。これが決定的につまらないというか弛緩しているのだ。 要するにモンタージュがまるでダメだということ。 デヴィッド・フィンチャーは、一枚一枚の画を作るのは上手い。ただそれが編集されるとなんともつまらない。いや、今回注意して観ていたのだが、ことごとく繋がっていない。これは完成を計算して撮影をまったくしていないということだろう。しかも、画の完成度に拘るためにマルチカメラ方式を取っていないから、余計カットのつながりに違和感がある。良く作りこまれた画であっても、映画が面白くならないのはこのあたりにも原因がありそうだ。 今回はデジタル化された撮影

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  • セルジオ・レオーネ - imprinted-agers’ blog

    セルジオ・レオーネ―西部劇神話を撃ったイタリアの悪童 作者: クリストファーフレイリング,Christopher Frayling,鬼塚大輔出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2002/07/01メディア: 単行 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見るイタリア映画の黎明期から活躍した映画監督を父に女優を母に持ち、映画界に飛び込むと、数多くの、(ハリウッド映画のローマ歴史劇を含む)助監督を勤め上げ、監督になる。その後はご存知のとおりの活躍、マカロニウェスタンを作り上げた男として映画史に名を刻む。 レオーネの作品は、わっ長いなと思いながら観始めると絶対に途中でやめられない。席も立てない。あれだけのクローズアップがあっても、どれだけそれが長い時間続こうと、大きなスクリーンから目が離せない。 このを読むと、レオーネという人は、映画ヲタクの始祖だというのがよくわかる。ヌ

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  • スパイダーマン3 - imprinted-agers’ blog

    わたしもジョージ・ルーカスと同意見ですぅ…。 http://abcdane.net/blog/archives/200705/lucas_on_sp3.html 語り口が、ハリウッド・メジャーの作品とは思えないんですよ。というかいまはこれくらいなのがフツーなのだろうか。 肝心なことをすべて、饒舌にセリフで説明してしまうので、観客は観るものがなにもなくなってしまうという、映画なのですね。自主映画ではよくありますが…。 だからアクションとドラマ部分がまったく乖離しているし、みんなその場の限りの感情なので泣こうが叫ぼうが、まったくこちらには届かない。 辻褄あわせで書いたシナリオがこういうことになるのは、よくあることだけど、あれだけ時間があって、監督自ら書いてああいう風になってしまうのというのは納得がいかないなぁ。 そういう恐れは第二作でも感じていたのですが、そこは怪人オクトパスにライミが感情移入

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    S2D2
    S2D2 2007/05/14
    自滅する人が出てこない…そういえば確かに
  • デジタルの真打登場か? - imprinted-agers’ blog

    間もなくデヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』が日公開される。まあ映画のデキ云々はべつに期待はしてないんだけども、テクノロジーの使い手としてのフィンチャーには大いに期待しているので、幾つか関連記事を探した。eiga.comのインタビューを読むと、デジタル環境ですべて製作したようですね。 では、ということで「アメリカン・シネマトグラファー」のサイトに跳ぶ。キャメラは、トムソン・ヴァイパーだ。『マイアミ・バイス』や『コラテラル』もそうだった気がする。ワーク・フロー図も載っている(撮影、編集)。それほど目新しいことしている印象はないなあ。もはや「デジタル撮りでデジタル仕上げ」のフォーマットは確立されたということなのでしょうね。しかもMacベースですべてOKなのね。 フィンチャーはもうアナログには戻れないと云うが、撮影監督の発言はどうも歯切れが良くないような気がする。やはり技術者としては納得

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  • 実録テレビ時代劇史 - imprinted-agers’ blog

    実録 テレビ時代劇史 作者: 能村庸一出版社/メーカー: 東京新聞出版局発売日: 1999/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 副題「ちゃんばらクロニクル1953-1998」 著者はフジテレビのプロデューサー。先日放送していた、金曜プレステージ「鬼平犯科帳スペシャル〜一眉〜」でもクレジットされてました。ちなみに脚は野上龍雄、音楽は津島利章、監督は井上昭でした。 テレビが始まる昭和28(1953)年からほとんどすべてのテレビ時代劇作品について言及されており、しかもエピソード中心の現場の人間たちのドラマで構成されているので面白い。時代劇をリアルタイムではなく追体験している世代としては、その大きな流れ小さな流れ、ルーツがどこから来たのかがわかり、映画テレビがどのような関係を築いてきたのか、それがいまどこに繋がっているかがわかって来て、

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  • ブラックブック - imprinted-agers’ blog

    シナリオがよく練られていて、物語が始まる前から伏線が張られ、後半になるとそれがどんどん回収されていくのでびっくりしてしまった。 結構、胃もたれするのでその積もりでご覧下さい。あと監督が語っているように、戦争末期の時代背景を知っていたほうが、最初のあたりはわかりやすいかも。 そしてもう一つ、ご覧になる前にお話したおきたいのは、1944〜45年の第二次世界大戦最後の数年間のオランダの状況です。 1944 年の9月にアメリカ、カナダ、イギリスの同盟軍がオランダに流れる川から南部を解放したのです*1。北部はオランダ人でも危険な状況で、私は当時7歳で北部に住んでいました。その頃すでにポーランドやアウシュビッツに送られたユダヤ人の方々の多くは命を落とされていた、そんな時期です。またオランダでまだ身を隠していたユダヤ人の方々は、この川を越えられれば自由を手にすることができたのです。ですから逃亡という意味

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  • 抜き射ち二挺拳銃 - imprinted-agers’ blog

    抜き射ち二挺拳銃 [DVD] FRT-287 出版社/メーカー: ファーストトレーディング発売日: 2006/12/14メディア: DVD クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る某所を巡回してたら、DVD化されているのを知り、さっそく調べたらなんと500円じゃないの!シーゲル・カルトを自認しているのにいままで気付かなかったのは不覚でしたわ。早速近所のホームセンターのワゴンセールにて取得しました。 シナリオ通りに撮影して編集してみたら54分にしかならなかったので、プロローグとエピローグを撮り足して77分にしたという西部劇作品。 といっても決してシーンやカットが足りないというのではなく、ヘンリー・ハサウェイあたりが撮ったらゆうに90分以上の尺に仕上がるの素材は、定番のストーリー展開ではあるが充分に詰まっている。 冗漫に思い入れたっぷりの芝居を撮って引き伸ばすことを選ぶのではな

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  • ドン・シーゲルコレクターズBOX - imprinted-agers’ blog

    おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ…!!! クラッシック映画BBSさんで仕入れた情報。5月発売。 『突破口!』『ドラブル』『殺人者たち』『最後のガンファイター』 すげえぇラインナップだ、悶絶。 キングレコードにもシーゲルカルトがいるのですね!嬉しい!! 絶対に買う買う。そのために働くぞ! 楽天ブックスで26%オフ http://item.rakuten.co.jp/book/4269851/ ■『突破口!』予告 ■『殺人者たち』予告

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  • 硫黄島からの手紙 - imprinted-agers’ blog

    やはり二あわせて観て正解だったと思う。時系列でいうと『硫黄島からの手紙』→『父親たちの星条旗』なのです。アメリカでの興行などの制約でこの順番になったのだろうが、これから観る方はこの順番で観る方が内容がより深く理解できると思います。 クリント・イーストウッドは“正義”の人だ。それは「裁くのは俺だ!」という意味ではない。「正(マサ)ニ義ナリ」という意味だ。信じるもののために真っ直ぐに貫く、それが状況に反していても、時流に沿っていなくても構わない、他人はそれを反動的だ、アウトローだ、遅れている、反社会的だ、不適応だ、と言う。言いたいやつらには言わせておけばいい。彼らが歩む道は決して明るいものではないかもしれないし、賞賛を得るとも限らない。いや反対に不愉快だと石を投げられるものかもしれない。しかし彼らは行く。運命というまやかしは信じない、まっすぐに歩き続けるだけだ。他人が歴史があとでどう判断しよ

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  • DumbLand - imprinted-agers’ blog

    朝から調子がイマひとつのところに、ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記で紹介されていた、デヴィッド・リンチの『DumbLand』というアニメを観てしまった。 けっこう不快な内容ですが、…でもオススメ(観ての苦情は受け付けませんが)。YouTubeで検索するとたくさん創っているみたいですが、まあ体力気力のあるときに観ます。 しかし!リンチ、リンチ、――っん、なんというか、自分の好きな要素が全部入っているのですよね。チープな手作りアニメにも。郊外の一戸建ての庭、蠢く畸形、反復されるだけのバイオレンス、ブルーワーカーの父性と逃れられない環境に囚われた少女。これらがわずか3分のなかに凝縮されたイコン、スタイルになって閉じ込められている。 リンチは、映画テレビ、アニメ、絵画などメディアに対応しながらも自己のスタイルを貫く映像作家のように思われるが、実は逆に自己のスタイル(妄想)に合わせて、メディア自

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    S2D2
    S2D2 2006/12/08
    リンチについて。『Inland Empire』は、『24アワー・パーティー・ピープル』や『ドッグヴィル』で使われたソニーのDSR-PD150で撮られているらしい。普通ならば萎えちゃうところだけど、リンチだと逆に楽しみになっちゃう
  • レディ・イン・ザ・ウォーター - imprinted-agers’ blog

    映画はかつてファンタジーだった。いやファンタジーというと語弊がある。いま目覚めてみる夢だった。 私が映画を観始めた70年代中期から後期の頃、映画はいつも現実の影を引きずっていた。子どもがちょっと背伸びをして大人の世界を垣間見る、そういうものが映画だった。そこに描かれている題材は、政治戦争、人種、宗教、セックス、差別、貧困歴史、風土、ジャーナリズムが散りばめられていて、決して学校の授業や友だちとの話題では出てこない、図書館に行ってを読み漁り、深夜ラジオに耳を傾けて、ようやく少し理解できるものばかりだった気がする。 ただの甘い砂糖菓子のような観客を慰撫してくれるような映画は無かった。興味がなかったのかもしれないし、ただそれだけの薄っぺらい映画は無かったと思う。 なかには小川徹のような、なんでも政治に絡める徹底した裏目批評などもあったが、素直にベトナム敗戦以降のアメリカを描いた作品には共感

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    S2D2
    S2D2 2006/10/06
    この素晴らしいレビューを読んでいると、映画を思い出してまた泣いちゃいそうになる
  • 北八ヶ岳(茶臼山、縞枯山) - imprinted-agers’ blog

    途中でバッテリー切れのため前半のみですが雰囲気をお楽しみください。 (3分34 秒) 高画質版はこちらへ 天気はとりあえず雨は降らないだろうと早出。…夜中に出発して、途中道の駅でトラックに混じって仮眠を取ってから峠を越えて長野に入る。あたりが見えるくらい明るくなると国道の向こうにどこまでも田んぼが広がっているのが見える。空は太陽が登るとともに次第に青から赤へと変わる。こりゃいいぞいいぞとさっそくクルマを走らせる。 山の木々の上の方が少しずつ太陽光に照し出されると鳥の囀りが増えてくる。かなり登ったところにある眺めの良いドライブインからは、遠くの山並みに雲海が拡がるのが見える。気温の上昇のためなのか雲の形がどんどん変わっていく。刻々と変わる朝の光がそれを一大スペクタクルにする。まさに雲上人、仙人の眺めだな、と低血圧な私でもワクワクしてしまう。 6時、麦草峠map:x138.3465y36.05

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  • トランスアメリカ - imprinted-agers’ blog

    普通にイイ映画でした。トランスジェンダーと親子の問題を絡ませて、アメリカ大陸を横断するロードムービーの形をとったアメリカ・インディペンデント系の映画。私はミニシアター系の映画は全然観ていないので、この作品がどういう位置にあるのかは分かりませんが。 観ている間、ずっとプレストン・スタージェス監督のことばかりなぜか考えていました。だらだらとメリハリの無いドラマのエピソードが次々と起こる。まあコメディなのかシリアスなのかという問いすらもう流行らないのかもしれませんが、それでももうちょっと観客の感情を引きずり回して欲しかった。適当に感動させて適当にクスリとさせておいて、あとは大切な問題なので映画では描けないから、みんなで考えて察してくれというのはムシが良すぎないか? サンダンス映画祭系の作品のようで気持ち悪いです。独立プロだからもっとビシッとなにか言えないのかな。これじゃメジャー内独立プロ作品と同

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    S2D2
    S2D2 2006/08/01
    観終えた後にまた読み直す
  • クランスマン - imprinted-agers’ blog

    クランスマン [DVD] 出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2003/09/03メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見るテレンス・ヤング監督。サミュエル・フラーが脚に参加している。 南部の黒人とKKKと街の治安を守るはずの保安官の争いが、狂ったままに暴走して行く様を救いようがないほど冷徹に描いている。フラーによると、これでも甘い、となるのだがかなりハードです。 白人女性のレイプ事件が発端となり、田舎の街に暴力の連鎖がじりじりと広がって行く様が、一見なにもない日常風景の隣にある狂気が息苦しいほどだ。KKKの連中は庭でバーべキューをしながら黒人を撃ち殺す相談をする。女房はそれを平然と聞き流しながら材を運ぶ。『ショック集団』のKKKのマスクが取り外された衝撃的なシーンを思い出す。 リー・マービン扮する保安官も法の番人をしているが、どう考えても白人の仲間でありKKKの

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    S2D2
    S2D2 2006/07/22
    監督: テレンス・ヤング、脚本: サミュエル・フラーのKKKもの。今度、探してみよう
  • サイレントヒル - imprinted-agers’ blog

    ゲームは面白そうですね。ずーっとそう考えながら観てました。 とにかく美術やVFXはビックリしました。細部まで気を遣っていて『ヴィドック』なんかを思い出しました。このセンスはフランス繋がりですかね。この監督の『ジェボーダンの獣』は観てないのですがやはり凝っているのかな。 一番すごいなあと思ったのは、どこまでも霧で蔽われる屋外のシーンなのですが、あれはどうやって作り上げたのだろう。普通にやっても、人が遠くに行くと自然に消えてしまうほどスモークを見事に背景全体に均一に張ることは不可能なはず。CGを使っているのかな、ぜひ知りたいです。 クリーチャーはダーク・ナースのみなさんが良かった。まあゲームの化け物をそのまま実写化するのはどうなのかなあ。マジメにやっていたけどちょっと笑っちゃうカンジ。小中学生には受けるかもしれないが。あ、PG-12か。 シナリオがタランティーノの元盟友、ロジャー・エイブリーな

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  • ウルトラヴァイオレット - imprinted-agers’ blog

    『リベリオン』の監督の新作ということで、行ってきました。大好きです。細かいところを言ったらいくらでもそりゃ穴はありますよ。ストーリーだってアクションのための付け足しのようなものです。でも、そんなことどーでもいいじゃん。低予算で、これだけアイディアが満載だったら大満足ですよ。 これは、SF映画じゃなくて、香港武侠映画だよ。そう観れば、バッタバッタ人が斬られるもの、強引な展開も不自然な泣かせ部分もありでしょう。 お話は、これまたよくありがちな近未来設定なので迷うことはないです。字幕では言及されませんが、新人類はヴァンパイア一族の特性を持った種だと思って観るとわかりやすくなります。 SonyのHD24pのシネアルタによる全編ヴィデオ撮影です。CGI合成のために色味をかなり弄っていますが、それもいい感じだと思います。ミラ・ジョイボヴィッチの肌も綺麗に撮れています。微妙に紗がかかった効果は、ポストプ

    ウルトラヴァイオレット - imprinted-agers’ blog
    S2D2
    S2D2 2006/06/28
    貴重な絶賛レビュー
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