生活保護費増加の問題の根源は、給付水準が高すぎるため、本来自立できる人が保護に頼るというモラルハザードが生じていることだ。その結果、国民の間にも不公平感が広がっている。 勤労者所得は直近の10年間で約15%減少しているが、生活保護費は0.7%しか見直されていない。自民党はこうした所得の減少や国民年金とのバランスを考慮し、給付の10%削減を提案している。 現金給付から現物給付への転換も必要だ。生活用品や住宅を現物で支給すれば、貧困ビジネスを抑制できるほか、受給者の自立へのインセンティブにもつながるだろう。 生活保護法改正案で前面に出したいのは、自立支援策だ。具体的には、保護期間に自立後の基金を作る「凍結貯蓄」の仕組みなどを導入することで、働いたほうが得だという明確な方向を打ち出したい。 権利の制限は仕方ない 現物給付や親族の扶養義務の強化で、本来必要な人に届きにくくなるという声もある。しかし