とても楽しみに待っていました。御本をお送りいただき大変嬉しいです。最近、リフレ派の人たちの本は何度もじっくり読み返すことを意識的にしようとしています。自分の血肉に変えるために必要な作業だという意識からです。そして岩田先生の本は、その意味でも体系的に日本の政策問題を考える格好の指南書です。 冒頭で現在の民主党政権の政策を、政策の割り当て基準から厳しく評価していきます。ここだけでも一冊分の内容ですね。成長分野は政府が決める能力もその資格もないことを明瞭な論理で説き明かしています。環境政策、高速道路無料化、子ども手当、農家の個別所得補償制度などが次々と経済学の明瞭な尺度で批判されていくのは、読者にとっても得難い武器をもらった感じになるでしょう。 日本の長期停滞をもたらしたのは、構造要因か、それとも日本銀行の失敗による循環的な要因か、この対立について最新の実証結果を応用しながら、「ゾンビ企業仮説」