【ロンドン小倉孝保】第二次世界大戦の連合軍によるノルマンディー上陸作戦(1944年6月)の際、ナチス・ドイツ占領下のフランスから放たれたとみられる英空軍の軍鳩(ぐんきゅう)(伝書バト)の骸骨が英国の民家で見つかった。ハトには暗号が付けられ、英国立暗号センターで68年ぶりの解読作業が始まった。 英南部ブレッチングリーに住むデビッド・マーチンさん(74)宅で、改築のため暖炉を壊そうとしたところ、煙突内側から見つかった。脚に小さな赤いカプセルが付けられ、中の薄紙に通信文(暗号)が書かれてあった。 差出人は「W・Stot」で英空軍所属の軍曹。宛先は「XO2」とあり爆弾司令部を意味するという。暗号は計27の文字列で構成されている。英メディアによると、仏ノルマンディー地方から英バッキンガムシャーの暗号センターに向け放たれたハトが、気象条件など何らかの事情で疲れて煙突に入った可能性が高いという。 英王立
中国の程永華駐日大使が16日、毎日新聞の書面インタビューに答えた全文は次の通り。 −−今年は日中国交正常化40周年ですが、現在、両国関係は厳しい状況に直面し、日本の多くの人が憂慮を表明しています。中国側は両国関係の現状をどのように認識していますか。 大使 日本政府が「釣魚島購入」を発表した後、中日関係は非常に厳しい情勢に直面している。これは中日両国民の利益に合致せず、中国が目にしたくないもので、事態悪化の責任は中国側にはない。 今年は中日国交正常化40周年だ。両国にとってのこの40年間の中日友好協力発展の重要な意義を深く感じている。40年前の中日が国交正常化を実現した時、二国間の貿易額は10億ドルにすぎず、人の行き来もわずか1万人だった。40年間の両国政府と各界の関係者の不断の努力で、両国関係は各分野で大きく発展し、これまでにないレベルに達した。
原発事故の避難地域などで犬や猫が大量に繁殖するのを防ごうと、神戸市で活動する「アニマルレスキューシステム基金」は16日、不妊去勢手術の専門病院「フクシマスペイクリニック」を福島県白河市に開設した。 基金によると、阪神大震災では仮設住宅で猫が餌付けされ大量の野良猫が発生、翌年から殺処分数が増えた。福島では捕獲器を貸し出し、この1年で1000匹の施術を目指す。 この日は葛尾村の計画的避難区域や、川内村の仮設住宅などで捕獲した猫37匹に施術した。山崎ひろ代表(44)は「不妊去勢手術が、恵まれない命の誕生を止める唯一の方法。浸透を図りたい」と話す。活動は2年間の予定で、寄付金で賄う。問い合わせは(spay@animalrescue-sf.org)。【梅村直承】
内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が、東京電力福島第1原発の吉田昌郎所長(当時)に直接電話で事故の対応策を指示し、2号機の空だきを早めたとされる問題で、班目委員長が16日の記者会見で経緯を説明した。詳細について「記憶にない」「覚えていない」と繰り返し、「(自分の指示による)是非の検証は第三者がすべきだ」と述べた。 東電が公開したテレビ会議映像によると、現場では(原子炉内の蒸気を逃がす)SR弁の操作を急ぐと炉内の水位が急激に下がると認識していたが、班目委員長はSR弁を操作するよう指示。弁が開けられると、炉内の水位が急低下し、「燃料露出のタイミングを早めた」(国会事故調)とされる。 班目委員長は「(原子炉を冷却する)代替注水設備(消防車)の準備が整っているならば、早くSR弁を開けるべきだと述べた」と説明。その上で、「記憶に残っているのはそれだけ。いきなり政治家から吉田所長につながる携帯電話
国策により1932〜45年に日本の民間人約27万人が旧満州国(現中国東北部)に送り出された「満蒙(まんもう)開拓団」のうち、東京から出発した約1万1000人の全体像を市民団体が解明した。開拓民の多くは地方の貧しい農山村から出発したとされるが、首都・東京からも失業者や仕事が減った商工業者、空襲で家を失った人たちが「にわか農民」として送り出されていた。都市住民の「棄民」とも言える国策の実態が戦後67年を経て判明した。 東京発の満蒙開拓団の存在を知った大田区の元会社員、今井英男さん(67)が07年、仲間に呼び掛けて「東京の満蒙開拓団を知る会」を作り、調査を始めた。5年かけて公文書や新聞・雑誌記事を収集し、経験者十数人から証言を得た。
反体制派との内戦でシリアのアサド政権が揺らぐ中、シリアと同盟関係にあるイスラム教シーア派国家・イランが隣国イラクとの関係強化を進めている。シーア派の聖地・イラク中部ナジャフでの大型建設計画への巨額投資などを通じ、80年代のイラン・イラク戦争での恩讐(おんしゅう)を超え、イラク政府や国民に浸透を図っている。中東地域で新たな「反米シーア派連合」を構築する狙いもあるとみられる。【ナジャフ(イラク中部)で鵜塚健】 ナジャフ中心部の礼拝所アリモスク。内部にはシーア派初代イマーム(宗教指導者)のアリの聖廟(せいびょう)があり、シーア派を国教とするイランから巡礼者が訪れる。イラン人の巡礼は両国関係が悪かった旧フセイン・イラク政権時代には困難だったが、03年の政権崩壊後に可能になった。 昨秋、モスクの隣で大規模事業の工事が始まった。博物館などを併設した宗教施設で、敷地面積約5万4000平方メートル、総工費
<この国はどこへ行こうとしているのか> ◇「お任せ」せず実践して−−池内了さん(67) 白い首振り扇風機が、ぐるりぐるりと回っている。天井のクーラーは、ぴたりと止まったままだ。「この夏が最大のチャンスだったんだけどねえ」。神奈川県葉山町にある総合研究大学院大学で、同大教授で宇宙物理学者の池内了さん(67)は悔しそうにため息をついた。政府による関西電力大飯原発の再稼働の話である。 「私たち国民の方はすっかり覚悟を決めていたわけですよ。この夏は原発抜きでやろうって。企業も生産シフトや自主電源の確保などの準備をしていた。この夏をうまく乗り切れば、『なーんだ、やれるじゃないか』となって、脱原発社会への自信をつけられるはずだった。それなのに再稼働してしまうなんて」 大きく開け放たれた窓。山の緑や空の青はすっかり夏の色だ。開襟シャツ姿の池内さんの額には、汗一つない。研究室のクーラーはつけない。慣れれば
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く