【ローマ=南島信也、テヘラン=北川学】ギリシャのパパンドレウ首相とトルコのエルドアン首相が14日、アテネで首脳会談をし、経済協力の強化とともに、軍事費削減に向けて両国が努力することで合意した。深刻な財政危機のギリシャに経済成長著しいトルコが手を差し伸べた形で、キプロスの分断問題をめぐって対立してきた両国の関係が一気に改善に向かう可能性が出てきた。 6年ぶりのギリシャ訪問となったエルドアン首相は、10閣僚と約150人の財界人など計約400人を引き連れてアテネ入り。ハイレベル協議を毎年実施することを決めたほか、貿易、教育、エネルギー、環境などの分野での協力協定に署名した。両国の貿易額を現在の約2倍の50億ユーロ(約5700億円)にまで引き上げることを目標としている。 記者会見でエルドアン首相は「エーゲ海を分断の海ではなく、平和の海にしたい」と述べ、防衛費削減にも前向きな考えを示した。パパン