放浪の俳人・種田山頭火(1882~1940年)の未発表作品を含む直筆俳句3句が、大分県中津市の俳人・松垣昧々(まいまい)=本名・重敬、1892~1977年=の長男(故人)宅に保存されていることがわかった。1万2000句余りを収めた「山頭火全句集」(春陽堂書店)にない句もあり、研究者らの注目を集めそうだ。 山頭火は1929(昭和4)年に初めて昧々宅を訪ね、「雨の山茶花(さざんか)のちるてもなく」を詠んだほか、2度目の訪問で「またあへた山茶花も咲いてゐる」を残した。この2句は全句集にあるが、3回目に来た時の「おもいての山茶花の咲かうとしている」はこれまで知られていなかった。いずれも「山茶花」を詠み、庭に鮮やかに咲くさまが印象的だったらしい。3句とも上質紙に書かれ、昧々が後から3句一緒に表装し、掛け軸にしたらしい。長男の妻ヨリ子さん(80)が大事に保管していた。 山頭火は昧々の自宅に泊まり、市内