田中秀臣さんやHicksianさんも取り上げたミネアポリスFRBの論文に対し、当のFRBの別の地区連銀が反論している(Economist's View経由)。 ミネアポリス連銀は、貸し渋りに関する4つの通念を槍玉に上げ、それらが「神話」である、としたのに対し、ボストン連銀はそれらは神話ではなく事実である、としている。 以下に、両者の議論をまとめてみる。 神話1 一般事業会社と個人向けの貸出が大きく低下した。 ミネアポリス連銀 統計を見ると、そのようなことは起きていない。 ボストン連銀 ミネアポリス連銀が見ている集計データだけでは、その中で何が起きているか分からない。 金融危機の際、銀行のバランスシートは以下の理由により膨れ上がる*1。 1.ローンの証券化が難しくなるので、バランスシートに乗るローンが増える。 2.資金難に直面した企業が融資枠いっぱいまで借り入れを増やす*2。 実際、データを