厚生労働省の有識者検討会は5日、請負労働者の団体交渉に関する報告書をまとめた。対象となるのは技術者やミュージシャン、塾講師、カメラマンなど、個人事業主として企業から仕事を請け負う労働者。仕事の責任が大きく、仕事の日時や場所が細かく指定されていれば、企業に賃金や休暇などの条件改善を団体交渉を通じて求めることができるとの考え方を示した。 労働法の専門家からなる「労使関係法研究会」(座長・荒木尚志東大教授)がまとめた。報告書で示した基準は中央労働委員会や裁判所での判断基準として活用する。 通常の正社員は労働組合に入り、賃金や休暇などの就労条件を団体交渉するが、企業から個別に仕事を請け負う労働者の場合、組合を通じて団体交渉ができるかどうか基準が曖昧で、裁判の判例も分かれていた。ただ、最高裁が4月、就労実態が正社員に近ければ個人請負でも団交ができるとの判断を示した。 独立行政法人労働政策研究・研修機