本稿では、1999年における我が国の関税・非関税障壁を含む貿易保護水準を計測し、貿易保護を撤廃した際の我が国経済への影響を推計した。我が国の貿易保護水準は1989年時点よりも3割程度低下しているものの141%(関税相当)との結果になり、中でも9割を占める非関税障壁については対象財の国内価格を輸入価格の2.4倍の水準に引き上げている。貿易保護を撤廃する事で消費者が得るメリットは6兆円以上であり、国内産業における生産・雇用への負の影響を補って余りあるものである。今後は財の特性を考慮しつつ貿易保護を撤廃していくことが望まれる。 はじめに 貿易保護撤廃が経済に与える影響分析 推計方法のレイアウト 貿易保護水準の推計 貿易保護の撤廃による我が国経済への影響 産業連関表を用いた影響分析 分析の総括と結語 PDFファイルで 図表入り全文を提供しています。