Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 公立はこだて未来大学平田竹川研究室の研究チームが発表した「シースルー型HMDを用いた食べ物への動的な映像効果重畳による食欲減衰手法の提案」は、シースルー型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用い、食事中の食べ物にARで青色フィルターをかけると食欲や空腹度はどうなるかを検証した論文だ。食事が進むにつれ、青色フィルターが濃くなる仕組みも取り入れた。 過食を抑えるためのアプローチの1つとして、色彩の変化による食欲減衰がある。特に青系統はより食欲を減衰させる色として知られている。一方でおいしく食べる体験が損なわれる。 今回は料理をおいしく食べながらも食欲が減衰する効果が得られないかを検証する。研