前回は中国のシェアリングサービスを論じることで、制度設計が人々の行動習慣にどのような影響をもたらし得るかを論じた。本連載でも最近中国について論じる機会が増えてきたが、それほどまでに特殊なIT事情を有する中国は、やはり注目に値する。 とはいえ中国は、世界をつなげてひとつにする「世界共通のインターネット」から離脱しようという意図がみえる。またグーグル検索においてもこの「世界共通」は複雑な問題を抱えている。 そもそもインターネットは当初こそ軍事利用的な発想で生まれたが、一般的な普及にあっては世界中の人々がひとつにつながることで、対立から融和への道を示そうという思想的な側面が存在していた。この思想は現在に至り、多くの問題を抱えている。そこで今回は、インターネットが1つであることの困難やその問題について考察したい。 国内から外国へのアクセスがますます困難な中国 中国の積極的な「世界共通のインターネッ
![「世界共通のインターネット」時代は終わりを迎えるのか](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e371fcad39604dc7e28d7392f6e804c312fcbfa2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwedge.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2Fc%2F1024%2Fimg_ac315b2ec3d2998e58b710b56da9a4c1184427.jpg)