東京電力福島第一原子力発電所でタンクの汚染水が漏れた問題で、周辺に掘った観測用の井戸の地下水ではトリチウムという放射性物質の濃度が大幅に上がり続けていて、12日に採取した水では国の基準の2倍以上に達しました。 東京電力は地下水の汚染の広がりについて監視を強めています。 福島第一原発では先月、山側のタンクから高濃度の汚染水300トン余りが漏れ、東京電力が問題のタンクのおよそ20メートル北側に観測用の井戸を掘って地下水への影響を調べています。 この井戸で12日に採取した地下水からは、これまでで最も高い1リットル当たり13万ベクレルのトリチウムが検出されました。 国の海への放出の基準は1リットル当たり6万ベクレルでその2倍以上に当たります。 この井戸のトリチウムの値は、今月10日に1リットル当たり6万4000ベクレルだったのが、翌日には9万7000ベクレルと、このところ大幅な上昇が続いています。