――浜岡(静岡県)、玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)、福島(福島県)、島根(島根県)など各原子力発電所について、原子力災害時の避難時間の推計結果(シミュレーション)の発表が立地する各県から相次いでいる(玄海は福岡県、長崎県との共同発表。島根は鳥取県との共同発表)。これらの推計結果をどのように見るか。 全般的に、私ども環境経済研究所の推定より短めの時間となっているようだ。私どもの簡略法に基づく試算と比べてより詳細な手法で試算を行っているので、発表された数字をもとにして議論する手がかりにはなると思う。 しかし、シミュレーションの前提である「段階的避難(原発に近い5キロメートル圏内の住民を先に避難させるため、その外側の住民が避難を控えること)や「乗用車に乗り合わせての避難」などの前提条件が、いざ本番の時に再現できるのか。福島第一原子力発電所事故の実態を見ても、各シミュレーションの前提が実現可能な
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