身も蓋もないことをいえば、どうせ本当には人生を設計なんてできない。 ・帰宅した。目がさえて眠れん。愚痴らせてくれ。 この匿名氏の見込みが甘かったとは、ぼくは思わない。年間約200万の25年ローン。博打だとは思う。が、年収630万時点でならさほど分の悪い賭けでもない。これで人生設計が甘いというなら、ローンを組んでいるすべての人が甘い。なにしろ、将来を約束されている人なんてひとりもいないのである。明日文無しにならないとも限らない。尋常に食えてきた人間には、収入が増えないというだけでも十分に悲観的な展望だろう。大幅な減収や離職の可能性まで織り込んだ人生設計を立てる人間なんて普通はいない。「いつでも独りで死ねる準備をしておけ」ということにしかならない。 今、最悪の事態を想定して人生を設計することにどれほどの意味があるだろう。それこそ、ストリートでも生きられる強さを身に付けるくらいしか有効な設計図が