深刻な状況が続く東京電力福島第1原発事故で、政府と同社で設置した事故対策統合本部が、1~3号機の原子炉を安定的に冷やすため、建屋外部に水の循環・冷却システムを新たに構築することを検討していることが5日、分かった。既存のシステムの復旧が大量の汚染水に阻まれ、難航しているうえ、配管などの損傷によって水を循環させると汚染水として漏出する可能性があるためだ。放射線量の低い外部に構築すれば、作業員の被(ひ)曝(ばく)線量を抑えるメリットもある。 既存設備の復旧と同時並行で進める。原子炉から建屋外に出ている5本の配管のうち2本を利用、途中に熱交換冷却装置を仮設してループ状につなぐ案などが浮上しており、必要な機材など具体的な調査に入る。大がかりな作業のため、月単位の時間がかかる可能性もあるが、既存設備の復旧よりも早いとの見方もある。実現すれば、原子炉冷却は大きく前進する。 震災時に運転中だった1~3号機