子どものころに虐待を受けた経験がある高齢者は、受けていない人に比べ、年間の医療費が11万円余り高くなるという調査結果を東京医科歯科大学などの研究グループがまとめ、虐待を防ぐことが社会全体の医療費抑制につながる可能性があると指摘しています。 その結果、18歳までに親から身体的な虐待やネグレクトなどの「虐待を受けた経験がある」と答えた高齢者は全体の18%いましたが、「経験がない」と答えた人たちに比べて、年間の医療費が11万6000円余り高かったということです。 研究グループによりますと、虐待の経験が高齢者の病気のリスクを高めることは従来の研究でも指摘されていましたが、医療費との関係が示唆されたのは初めてで、虐待の経験で生じる高齢者の年間の医療費は日本全体で3330億円にのぼるとも試算しています。 東京医科歯科大学の伊角彩特別研究員は「虐待が脳に影響を及ぼしストレスから慢性的な病気をひきおこすお
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