藤井裕久財務相は29日夜、ドバイショックで一時1ドル=84円台まで急騰した円相場について、「今の事態は静観しないといけない。(為替)介入はあり得ない」と述べ、円高是正のための為替介入は考えていないことを明らかにした。 この日、首相公邸であった鳩山由紀夫首相らとの会合後、記者団の質問に答えた。 公邸での会談で藤井氏は、為替の動きについて「偏った動きをしている」などと説明。「介入という言葉を使ってはいけないというのは国際常識だ」とも語ったという。さらに円高対策は「金融(政策)と一体的にやらないといけない」と述べ、日銀との連携が不可欠との認識も示した。 藤井財務相は9月の会見で「緩やかな動きであれば、介入はあり得ない」と強調。円相場が上昇した経緯があるが、先週末の円高を受けて「異常な動きには適切な措置をとらなければならない」と介入を示唆する発言をしていた。【寺田剛】