「したり顔」といえば「訳知り顔」「知ったような顔」という意味だと理解している向きが多いだろうが、本来は、物事がうまくいった時などに思わず発する感動詞である。 では、11月末、新たな事業計画で「2029年までの15年に新たに“64基”の原子力発電所建設の受注を目指す」と発表した東芝の室町正志社長と、志賀重範副社長の顔はどちらだったのだろう。会見の場では、「原発市場は今後、全世界で400基以上の需要がある」と巨大市場になると言い切ったが、その確度はどれほどのものか。仮に大市場になるとしても、本当に受注できるのか。巨大市場になるという予測を「訳知り顔」に言ったものか、その内16%ものシェアを取れると言い抜けて「うまくいった」と思ったものか。違う角度から検討してみよう。 2030年に原発の電源構成比率は20~22%へ まず、後者については、本誌のスクープで報じたように、東芝の幹部自身も64基を米原
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