日本最大の内海である瀬戸内海は、「瀬戸」(隆起域)と「灘」(沈降域)が繰り返している。この特有の地形は300万年前に始まった中央構造線の活動がもたらしたものだ(大断層「中央構造線」の活動と瀬戸内海の誕生)。ここで大切なことは、隆起と沈降という上下方向の地殻変動の境界には「活断層」が潜んでいるということだ。 日本有数の活断層密集地帯 瀬戸内海東部、大阪湾周辺の地形(図1)をご覧いただこう。復習を兼ねて説明すると、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みの西向き運動成分によって、「中央構造線」を長大な横ずれ断層として活動し、構造線より南の地塊を西へ引きずっている。この運動に引きずられるように、中央構造線の北側、瀬戸内海周辺域は「変形ゾーン」となってシワ状に隆起域と沈降域が繰り返している。 図1 瀬戸内海東部域の構造(巽原図) 図1で赤線が活断層だ。ただし、これらの断層は確認されたものだけであ