「葦(あし)が生い茂って、千年も万年も穀物が豊かに実る国」という意味のこの言葉。神々の住まう高天原、死後の世界である黄泉の国、その間にある素戔嗚尊が治める世界、つまり「日本」という国を示している。 京都に住まいし、もうすぐ7年になろうとしている。普段から新幹線で移動することが多いのだけれど、車窓からぼんやり外の景色を眺めているのが好きだ。富士山が見えた、見えないで一喜一憂することもあれば、桜前線の北上の様子に心浮き立つこともある。たった数日で景色が変わり、季節の移ろいを感じられるのが車窓の旅の醍醐味(だいごみ)だなぁといつも思う。 なかでも、その変化を気付くとつい目で追っているのが田んぼの景色である。トラクターが田んぼに入り、田起こしが始まると、冬が終わったことを感じる。若々しい苗が一面に植えられ、水鏡となった田んぼの姿が私はいちばん好きかもしれない。これから育っていく苗代の瑞々(みずみず
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