農家が稲わらや刈り取った草を屋外で焼く「野焼き」。病害虫駆除の役割などを果たすとして古くから行われてきたが、平成13年改正の廃棄物処理法で「農業を営む上でやむを得ない場合」を除き、全面禁止になっている。ところが、ニュータウンなど農地と人口密集地が近接する地域では近年、野焼きに対し「臭い」「煙たい」などの苦情や、火事と間違われて通報されるなどのトラブルが急増している。自治体側も野焼きのガイドラインを策定したり、相談ダイヤルを設置するなど対策に乗り出したが、全面禁止にすることは難しく、根本的な解決策は見つからないままだ。(中川三緒) 人口急増に合わせ苦情殺到 兵庫県南東部に位置する三田市。かつてはおだやかな農村地帯で、昭和33年の市制施行当時の人口は約3万2千人だったが、50年代から大規模なニュータウンが開発され、60年まで3万人台で推移していた人口は平成2年に6万人、8年には10万人を突破し