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  • 議論を尽くすのは難しい - レジデント初期研修用資料

    意見の対立を解決するための手段として、合議というやりかたはどこか危うい。 意見の対立があったところで、リーダーに対立した誰かが「じゃあ私は別の場所に行きます」といえる状況ならばまだしも、外の環境から閉じた場所で発生した意見の対立は、合議によらない、むしろなるべく理不尽なやりかたで解決することを心がけないといけないのだと思う。 合議は難しい インターネットで寄付を募ることで立ち上げられた地方紙である「大槌みらい新聞」が、3万5000円をきっかけに瓦解しかけている という記事を読んだ。 リンク先では、メンバーの意見が対立したきっかけから、最終的に歩み寄る余地のない対立に至った会議のログが閲覧できるけれど、意見の対立を解消するための手段として、合議はそもそも難しいよなと思う。 体育会の昔、会議室ではお互いに正論をぶつけあい、トイレ休憩で各大学の主将がトイレに集い、会議の落とし所は、結局トイレで決

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    TKK8637F 2013/05/28
  • 見学は大切 - レジデント初期研修用資料

    「見て学ぶ」ことが見学だけれど、見ることは、教わらないと難しい。 見学をしているようでいて、実際に行われているのは観光にすぎないことは多いし、ちゃんとした見学の手続きを踏むことができれば、恐らくは学習の効果は高まるのだろうと思う。 新しい職場ではまずは見て記録する どこかの部署に配置された新人には、まずは記録係を任せるのがいいのだろうと思う。 右も左も分からない現場において、新人としてそこに配置された人は、仕事として行われていることの裏側にある理論を学びたいだろうけれど、見ないで習った知識や理論を身につけるのは難しい。 理論の学習を後回しに、まずは新人の目線で、そこで目にしたあらゆる物事を文章にして記録してもらうと、学習の効率が高くなる。 習ったことが一度で身につくことは少ない。習ったことを間違えることなく再現するのは難しい。見たことは、それが文章として記録されていれば、見たとおりに再現で

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    TKK8637F 2013/03/06
  • 0から1を作った経験 - レジデント初期研修用資料

    たとえば爆弾テロの事例がニュースで報じられれば、たいていの人はたぶん、それを「ひどい事件だな」と思う。テロリストの側に与する人が同じニュースを聞けば、もしかしたら「よくやった」と思うかもしれない。ニュースに対してどんな態度をとるにせよ、ニュースというものはほとんどの人にとっては消費の対象であって、それを経験として蓄積できる人は少ない。 同じニュースを聞いても、見聞した事例を通じて自分の経験値を高める人もいる。爆弾テロの事例ならば、爆弾を自分で作り、爆薬の威力というものを知っている人がそれであって、こういう人がニュースを見ると、「なるほどそういう仕掛けかたもできるのか」と、爆弾の仕掛け方がより凶悪になってみたりする。 どんな分野であれ、ゼロから何かを生み出す経験をした人は、あとは事例を見るほどに、自身の経験が増していく。 経験には2種類ある 100年続くチームを引き継ぎ、体育会のキャプテンと

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    TKK8637F 2013/01/14
  • 制約を身につける - レジデント初期研修用資料

    「ここまでは得意ですが、ここから先はできません」という制約を持つ人が得意分野に熟達すると、その人は専門家と呼ばれるようになる。 「得意不得意こそありますが、私は基的になんでもやります」という人が全方向に頑張ると、その人は「熟達した使い走り」になってしまう。 制約は知恵を引き出す たとえば300文字程度の考えを文章化しようと思ったときに、Twitter はいい道具になる。簡単なサービスだからすぐに書けるし、つながった誰かの反応をもらうこともできる。何よりもTwiter には「140文字しか書けない」という制約があって、アイデアを文章化するときには、こうした制約が役に立つ。 アイデアを文章化するのに必要なのが300字なら、Twitter ではそれを2回に分けて書く必要がある。ベタ打ちしたアイデアを途中できるのはみっともないから、思いついた何かは必然的に、140字で語れるだけの大きさに分割され

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    TKK8637F 2013/01/07
  • 人事の説得技術 - レジデント初期研修用資料

    最近話題になった、私はこうして退職を強要された/NECリストラ 面談一問一答メモ という記事を読んで、ネットでいろいろ教えていただいたことのまとめ。 独特の言葉遣いについて 記事中では、NECからの退職を拒否した「男性」が、11回も繰り返される面談を通じて、「上司」から退職を要請される。 上司が執拗に繰り返す「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言は、読んでいて息が詰まりそうになる。 男性が何を問うても、上司は同じ言葉を繰り返す。記事の後半、激昂した上司が一瞬、普通の言葉で「男性」を叱ってみせるけれど、すぐにまた「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言に戻る。上司はたぶん、何かの意図があって同じ言葉を繰り返しているのだけれど、自分には当初、その理由がよく分からなかった。 ある意図を達成するために作られた特別な言葉というものがある。有名なのが「記憶にご

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    TKK8637F 2012/10/10
  • 人は禁じられた方向に努力する - レジデント初期研修用資料

    組織やチームの文化というものは、スローガンや目標ではなく、日常の動作やおしゃべりにおけるちょっとした制約が作り出す。 「全部英語」は極端であるにせよ、その会社、その組織、その業界独自の言葉や言い回しを作ったり、あるいは「その場で発してはいけない言葉」を作って共有すると、その場には独自の空気が生まれる。外から入ってきた人が「その組織の人」になるまでの時間は、そうした空気がある場所では大幅に短くなっていく。 制約が空気を作る 「ノー」を禁じた組織には、「ノー」を表現するための語彙が増えていく。「現実的に」を禁じた会議室からは、実際に実現できるアイデアが増えていく。 何か到達したい状態があるのなら、それを目標として声高に叫んでみせるよりも、目標と反対側の単語を禁じてやると、人間は案外、その方向に能力を発揮する。 内科医の会話から「外科」という言葉を禁じると、「外科に相談」みたいに便利な言葉が一切

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    TKK8637F 2012/09/24
  • チームワークとは「いい敵」の共有 - レジデント初期研修用資料

    チームワークは大切だけれど、リーダーがチームに対して、「チームワークを大事にしましょう」と諭してしまうと、誰もが「チーム」に遠慮する。結果としてたぶん、チームの能力は集まった人数を下回る。 チームには「敵」が必要 チームワークとは、チームが「共通の敵を持つこと」で生み出される。「チームをまとめるためには敵を探そう」が、リーダーが身につけるべき方法論でもある。 「敵」という存在は、対立や排除の対象であって、概念を共有した上で、それを「敵」と名指しすることで、チームには「何をやらないのか」、「誰に嫌われるのか」が共有される。 「敵」を名指しすることは、だからリーダーが戦略を策定するのと同じ意味を持つ。 目的の共有には意味が無い 目的とは単なる到達点で、どれだけそれを熱心に説いたところで、そこに到達するための道程は共有できない。メンバーの思い描いた道筋はバラけてしまうから、チームは結局まとまれな

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    TKK8637F 2012/09/11
  • 危機対応覚え書き - レジデント初期研修用資料

    ファーストサーバーの事故対応や、そのユーザーである「前代未聞空前絶後の無限地獄に叩きこまれた」「阿鼻叫喚のハンバーガーヒルを駆け抜けたサーバ管理者」の方々の、いろんなつぶやきを読んで考えたこと。 口をひとつに 危機対応を行う際には、判断に専念するリーダー役と、発表やコミュニケーションに専念するネゴシエーターと、できれば別々に、それぞれ専属の誰かを置いたほうがいい。 危機の当初は情報が錯綜するし、危機に対応する側も、あるいはその危機から被害を被った側も、様々な「当事者」が情報を発信する。危機に対応する側は、恐ろしく忙しいことになっているにせよ、この情報を放置してしまうと、2ちゃんねるあたりに「現場の声」が匿名で掲載され、ニュースになって収拾がつかなくなってしまう。 佐々淳行のでは、危機対応のリーダーを決定したら、「まずは緘口令をしけ」と説く。記者の人たちが何を聞いても、「命令」がそこにあれ

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    TKK8637F 2012/07/04
  • 「医療とコミュニケーション」第9 章 謝罪を行う - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 作った人の顔を見てみたい 相手に刺される想像力 無難の伝えかた 「ロバスト性」メモ マスターアップしました 努力には正しい方向がある オムライスの底力 見解について 器洗い機とオーブンレンジを一体にしてほしい 道徳とルールの間 Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 「医療とコミュニケーション」 参考文献 20:45 Tweets that mention ... 「医療とコミュニケーション」第9 章 謝罪を行う 20:30

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    TKK8637F 2012/05/24
  • 書き出しは難しい - レジデント初期研修用資料

    Twitter だと気軽に書ける何かをどれだけ積むことができても、ひとかたまりの「論」として、それをまとめるのが時々難しい。難しさの根っこにあるのは「書き出し」であって、アイデアの品質それ自体は、「論」の誕生確率それ自体には、たぶんあんまり関係ない。 規制の話が書きたかった 最近何かで「コンテナハウス」が成功している記事を見た。コンテナハウスは、自分にとっては「成功している規制」に思えた。 あれをたとえば、「建物の形はコンテナ限定、その代わりコンテナを用いた住宅を作った場合には固定資産税を免除」みたいなルールを作って運用すれば、住宅業界や、あるいは家具や生活雑貨を作る業界に、業界の壁を越えたたくさんのアイデアが流入して、新しい市場が生まれるのではないかと考えた。 日常生活の中で「こうすればいいのに」と思うことは珍しくない。ニュースを見てそう思うこともあるし、どこかに出かけたり、何かを買った

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    TKK8637F 2012/04/27
  • 参考書を雑誌化してほしい - レジデント初期研修用資料

    これからの参考書が、電子書籍の形式を目指していくのなら、参考書体を出版するだけでなく、その参考書に対する様々な識者の「突っ込み」を、雑誌の形で提供できたら、きっととても面白い。 電子書籍は便利 たとえば聖路加国際病院の研修医マニュアルや、寺沢先生の「研修医当直御法度」みたいに、ある程度有名な、ユーザーの多い研修医向けのマニュアルを、電子書籍として雑誌化してほしい。 原を電子化して販売するのと同時に、編者の先生が、異なった施設で働くベテランの先生がたに、原に対する「添削」を依頼する。販売されている原データに対して、いろんな先生がたの「俺ならこうやるね」や、「この疾患の鑑別診断なら、これが入っていないとおかしい」みたいな突っ込みを、月替わりで読むことができたら、それはきっと面白い。 紙のメディアでそれをやると、「時刻表」になってしまう。毎月のように改訂された、先月と少しだけ異なるだけ

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    TKK8637F 2012/02/08
  • 熱心な人は恐ろしい - レジデント初期研修用資料

    それが敵であっても味方であっても、正義や熱意で動く人というのは恐ろしい。 損得勘定で動く人なら、立ち位置が異なっても会話はできるし、お互いの行動はある程度読めるけれど、正義や熱意で動く人はまず真っ先に損得勘定を除外するから、何が出てくるのか分からない。 有能な敵は頼りになる 「有能な敵」は、状況によっては味方よりも頼りになる。「無能な味方」は、もしかしたら真っ先に背中を刺しに来る。 嗄幼くてはいけない相手だからこそ、抜け目のない敵は相手をよく観察している。観察した相手だからこそ話は通じて、立場は異なっても、ゆがみのない会話ができる。味方を自認する人は、味方であることにしばしば安住してしまう。観察を怠った人は、「あいつならたぶんこうだろう」という予測が外れると怒り出す。味方であったはずなのに。 当直時間帯における頼るべき「有能な敵」は、「見逃すと翌朝までに患者さんが亡くなりうる疾患」のリスト

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    TKK8637F 2011/09/24
    「やる気のある者は去れ」って、タモリさんも言ってた。
  • 会見記事を読んだ - レジデント初期研修用資料

    島田紳助の引退記者会見 を文字におこしたものを読んだ。 一連の事実がきれいな物語として報告されて、きちんと管理された事実のみをを前提にした、突っ込みどころの少ない、自身が頭を下げる必要のない見解を組み立てているような印象を持った。 きれいな物語は何かが欠落している 語りたくない不都合な事実があったり、事実関係に何らかの瑕疵があったりするときほど、物語としての事実はきれいに、一貫したものとして語られることが増えてくる。 事実が自分でも管理できていない場合、通信のログが保管されていないとか、事実関係が曖昧で、証言の収拾もまだ十分に行われていない場合には、一連の事実を物語のようにつなげようと思っても、うまくいかない。話は必ずグダグダになるし、物語には「詳しくは覚えていないのですが」とか、「昔のことなので記録は残っていないのですが」とか、たくさんの但し書きが入ることになる。 語る側が隠さなくてはい

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    TKK8637F 2011/08/25
    id:nakamurabashiさんと、論旨としては似てるのかなぁ。 http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20110824/1314133334
  • 握手には意味がある - レジデント初期研修用資料

    握手というものは、「私はルールを守ります」と相手に宣言するときのどうにもなるし、 ルールの外側で交渉を行う際には、握手を行うことが、相手の立場を崩すきっかけになったりもする。 交渉は一つじゃない 交渉には、「ルールブックの上で行われる交渉」と、「ルールブックを挟んだ交渉」とがあって、 「ルールブックをしっかり読んで、お互いに可能なことを探しましょう」というのも交渉術だし、 「とりあえずルールブックを破り捨てて、うろたえる相手にこちらのルールを突きつけてやりましょう」というのも交渉術になる。 向いてる方向は正反対なのに、同じ言葉でくくられるから、交渉術というものはしばしば誤解される。 たとえば「ハーバード流」や「ユダヤ人の教え」といったも「交渉」を扱っているけれど、 そもそも契約書を守るつもりのない相手に対して、こんなやりかたで挑んだら大変なことになる。 軍事や外交の考えかたは、交渉と言う

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    TKK8637F 2011/08/22
  • 無様にやるのは難しい - レジデント初期研修用資料

    相変わらず、教科書みたいなものを少しずつ書いている。 薬の使いかただとか、手技だとか、どうせ書くならば、なるべく「みっともない」やりかた、 不格好で、誰にでもできるような、熟練した人がそれを読んだら、あまりのくだらなさに笑ってしまうような、 そんなやりかたを書きたいのだけれど、それがとても難しい。 挿管チューブのこと たとえば人工呼吸器管理を行うときには、できるだけ太い挿管チューブを使ったほうが、 患者さんの全身管理がやりやすくなる。 太いチューブは入れるのが少し難しいのだけれど、それでも慣れれば簡単に入るようになる。 ベテランはだから、みんな太い挿管チューブを選択して、慣れていない若手には、 「もっと太いの使え」なんて、お前も速く一人前になれだなんて、発破をかける。 教科書には、太いチューブのメリットばっかり強調される。 喀痰吸引がやりやすいこと。患者さんの呼吸仕事量は、もちろん空気の通

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    TKK8637F 2010/06/03
  • 「人類は衰退しました」感想 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ライフゲーム小説化したものなんだと思う 旧人類はセルの初期パターンに介入できるが、ルールを知らないから結果が予測できない 「妖精さん」は万能だが、その振る舞いは初期パターンに縛られる 「妖精さん」の集合は万能チューリングマシンであり、 人類が「正しいコード」を入力してくれるのを待っている 以降読んだ人限定、ネタバレ全開で…。 「妖精さん」とは何なのか 物語前半、主人公に捕まえられた3 人の妖精さんは、何もしていないのに4人に増える。 これはたぶん、ライフゲームの誕生ルール、「周囲に生きているセルが3つある空間には、 次の世代に新しいセルが誕生する」から引っ張っている。 物語中、妖精の数は急激に増えたり、あるいはいなくなってしまったり。 妖精

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