世界半導体市場は、コロナ特需により、2022年に過去最高の5740億米ドルとなった。しかし2023年は特需が終息して不況となり、約8%減少して5269億米ドルに落ち込んだ。そして、ことし(2024年)は不況から回復して、コロナ特需のピークを超える6112億米ドルになると予測されている。 一方、装置市場は2022年に、半導体市場と同様に、コロナ特需によって過去最高の1076億米ドルを記録した。ところが、半導体市場が大きく落ち込んだ2023年に、装置市場は1063億米ドルと、わずか13億米ドル(2%)の低下にとどまっている。つまり、2023年において、半導体と装置市場の挙動には大きな乖離があると言える(図1)。 では、なぜ、このような乖離が生じたのだろうか? 本稿では、この乖離が、米国による輸出規制を受けている中国が露光装置を爆買いしたことに起因していることを論じる。次に、主な前工程装置メーカ