目を覆うばかりの迷走である。これで国の重要政策を決めたつもりなのだろうか。 2030年代に原発稼働ゼロを目標とした「革新的エネルギー・環境戦略」のことだ。日本経済への影響や原子力関連施設の立地自治体、そして海外との関係など現実を直視しておらず、戦略自体が破綻している以上、閣議決定を見送ったのは当然の結果だ。 問題は、野田佳彦政権がこの戦略を参考文書にとどめ、「柔軟性をもって不断の見直しを行う」としつつも、原発ゼロ政策の破綻を明確に認めていない点にある。 政府は直ちに原発ゼロを撤回し、原発利用を含めた実効性あるエネルギー政策の策定に踏み出さなければならない。 政府が14日にまとめた戦略は、安全性が確認された原発は再稼働を認めるとする一方、運転開始から40年が経過した原発は原則廃炉として新増設は認めず、これによって30年代に原発稼働ゼロを目指すとしている。 だが、青森県が立地に協力した使用済み