「今の出版業界は、本づくりの熱意が見えなくなってしまう仕組みになってしまった」。元・新潮社のベテラン編集者であり、ローティーン向け雑誌『nicola』創刊編集長を務めた宮本和英氏が、『Twitter』でつぶやいた“出版界の裏話”が大きな話題を呼んでいる。著者や担当編集者が熱意をこめて作った“良い本”が書店の棚に並ばないのはどうしてなのだろうか? 宮本氏がツイートした2つの実体験エピソードの主な内容と、ツイートへの反響に対する同氏のコメントを合わせて紹介しよう。 ひとつめは、『nicola』創刊当時のエピソードだ。『nicola』は、当初売れ行きが伸び悩んだが、販売データを詳細にチェックすると完売している書店がところどころにあることを発見。「お客さんは確実にいる!」と手ごたえを感じて営業会議で販売プランを提案したが、「そんなことやっても効果はない」「結局、雑誌の中身が良ければ売れて行くはず」