福島県双葉町の井戸川克隆町長は4日、平野復興相が東京電力福島第一原子力発電所周辺の一部地域を、国が管理する無人の緩衝地帯とする考えを示したことについて、「大いに評価する。人間を人間として扱うというのは、こういうことだ」と述べた。 住民と役場機能が避難する埼玉県加須市で、読売新聞の取材に答えた。 井戸川町長は、「原発事故はいまだ収束せず、放射能は出続けている」との認識を示した上で、年間被曝(ひばく)線量が20ミリ・シーベルト以下で住むことができるなどとする政府の計画を、「無責任」と批判。平野復興相の考えについて、「大臣の私案とはいえ、言葉の重みを感じる。自然でノーマルな発言だ」と評価した。 また、緩衝地帯については、「物理的、科学的な検証をして、整合性のある区域を設定してほしい」とした上で、原発やレントゲン室のある病院などに設けられる「放射線管理区域」による立ち入り禁止の取り扱いを参考にする
大阪市交通局の元嘱託職員(解雇)が、昨秋の市長選を巡り、前市長の支援を求める労組名義の職員リストを捏造(ねつぞう)していた問題で、元職員からリストを提供された大阪維新の会市議団の杉村幸太郎議員が、2月の市議会でリストを基に労使癒着を追及する2日前、元職員から「偽物かもしれない」とのメールを受け取っていたことがわかった。 しかし杉村議員は元職員を疑わず、組合側にも真偽を確認していなかったという。 杉村議員によると、2月1日にリストを郵送で受け取り、不審な点などを指摘すると、元職員は同8日に「偽物をつかませてしまったかもしれず、申し訳ないことをした」とメールを送ってきたという。 しかし、杉村議員は同10日の委員会でリストを取り上げ、「交通局と組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことを裏付けるものだ」「信ぴょう性が非常に高い」と追及していた。 杉村議員は30日、読売新聞の取材に「それまでに元職
解析結果は昨年5月にも公表されているが、原子炉の圧力など、実測値と合わない部分があったため、改めて解析した。 その結果、1号機の圧力容器の破損は昨年3月11日の地震発生から約11時間後の12日午前1時50分に始まったと推定され、従来の解析より4時間早くなった。 炉心損傷の開始は地震の4時間後で、従来と変わりないが、全ての燃料が溶け落ちた時間は、地震の9時間後で、以前の解析より6時間早まった。 2号機の炉心損傷は、地震の77時間後で従来と変わらず、3号機は地震の44時間後で、従来の解析より2時間遅くなった。
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は16日の定例記者会見で、原子力発電所の運転停止が長引いた場合の電気料金について、「もともとの(電源の)供給構造が変わる」として、値上げが検討事項になりうるとの見方を示した。 電力会社は、運転が止まったまま再稼働できない原発の代わりに、発電コストが割高な火力発電を増やしている。八木会長は「電力会社の経営効率化の努力もあり、(値上げの)判断時期は一概には言えない」と述べる一方で、値上げを避けるには原発の再稼働が必要だとの認識も示した。
東京電力福島第一原子力発電所事故で、経済産業省原子力安全・保安院は6日、8月に東電に対して実施した保安調査に関する資料を公表した。 当時の吉田昌郎所長(12月1日に退任)らは、津波襲来後から1号機の非常用復水器(IC)の作動が継続していたと誤認し、対応していたことなどが改めて確認された。 資料は、吉田所長ら9人の幹部に聞き取り調査した結果を集約したもの。しかし、肉声の証言メモは、一切公開されなかった上、公表資料でも、事故の認識や経緯にかかわる重要部分は黒塗りが多く、情報公開に対する保安院の消極姿勢が目立った。 保安院・原子力事故故障対策室の古金谷敏之室長は「保安調査は非公開を前提とした任意の調査。証言メモも聞き取り担当者の個人的なメモに過ぎないので、公開の必要はない。資料の黒塗り部分は、事実関係が確定しないなどとする東電の意見を聞いた上で決めた」と説明した。
自民党斉藤県議が「脱原発」発言謝罪 自民党の斉藤爾県議(弘前市区)は8日に開かれた同党の議員総会で、2日の県議会の一般質問で「脱原発」を主張し、党を混乱させたとして謝罪した。ただ、斉藤氏は今後も脱原発の考えは変えない意向だ。 斉藤氏は一般質問で「原子力の灯は消すべき」などと訴えた。自民党は斉藤氏の処分も検討したが、東京電力福島第一原発事故を受けた原子力政策への会派の姿勢をまとめてこなかったことから謝罪を受け入れた。 総会の後、斉藤氏は「ご迷惑かけたことを率直に謝罪した。今後会派として決めたことには従うが、頭の中は変わっていない」と強調した。 会派の議員総会長を務める滝沢求県議は「色々な意見があるが、最終的に集約したい」と述べた。
福島第一原発事故による放射能汚染地図をいち早く作製したことで知られる早川由紀夫・群馬大教授(55)(火山学)が、簡易投稿サイト「ツイッター」に、福島県の農家をオウム真理教信者にたとえる書き込みをしたなどとして、同大は7日付で訓告処分にした。 同大によると、問題になったのは「セシウムまみれの水田で毒米つくる行為も、サリンつくったオウム信者と同じことをしてる」「福島の農家が私を殺そうとしている」などの書き込み。6月以降、再三注意したが改善されなかったという。 早川教授は8日、記者会見を開き、「放射能の危険性を多くの人に迅速に伝えるために、あえて過激にした。処分は学問の自由を奪う行為で、大学の自殺」と批判した。 同大の堀川光久総務部長は「研究成果とは言えず、言論統制ではない。大学にも多数の苦情が来ている」とし、改善されない場合は懲戒処分も検討するとしている。 JA福島中央会の橋本正典総務部長は「
放射線の影響 冷静に健康リスクを考えたい(12月4日付・読売社説) 放射線は人体にどんな影響を及ぼすのか。 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、多くの人が頭を悩ませているこのリスク問題について、専門家の会議が、今月半ばにも報告書をまとめる。 細野原発相が先月、内閣府に設けた「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」が議論を進めている。放射線の影響に関する情報を整理して、知見を国内外に広く発信する目的だ。 これまでの会合の中で、細野原発相は、この問題について科学的根拠を分かりやすく示すよう、専門家らに求めてきた。 多くは、「被ばく影響を表す単位(シーベルト)で100ミリ・シーベルトまでなら、統計的に健康影響は認められない」と述べている。 被ばくした量を、期間に関係なく合計した値だ。会合では、わずかの被ばくでも危険とする意見もあったが、その根拠には多くの異論が出た。一連の議論で
「もんじゅ」 政策仕分けにはなじまない(11月22日付・読売社説) 次世代の原子炉を目指す高速増殖炉「もんじゅ」について、政府の行政刷新会議が、計画存続の是非を含め、抜本的に見直すよう提言した。 刷新会議が20日に始めた仕分け作業で、与党議員ら7人の仕分け人が、「これまでに1兆円以上の予算をつぎ込んだが、何の成果もない」などと主張した。 だが、わずか数時間の議論は事業予算の効率的な使い方が焦点となり、技術的な検討も、長期的なエネルギー政策の観点からの検証も、ほとんどなかった。 東京電力福島第一原子力発電所事故後の「脱原発」の風潮を踏まえたパフォーマンスと言われても仕方があるまい。 「もんじゅ」は1994年に運転を開始して以来、「ナトリウム漏れ事故」などで、ほとんど停止している状態だ。維持費だけでも年に200億円程度を要する。 研究開発を担うのは、独立行政法人の日本原子力研究開発機構だが、公
東京電力福島第一原子力発電所から20キロ前後に位置する福島県浪江町の住民の甲状腺被曝(ひばく)量は、チェルノブイリ原発事故後の周辺住民の被曝に比べ、1万~1000分の1だったことが、札幌医大の高田純教授(放射線防護学)の調査でわかった。18日に神戸市内で開かれた日本放射線影響学会で発表した。 原発事故で施設外へ放出される放射性物質のうち、ヨウ素131(半減期約8日)は甲状腺にたまりやすく、被曝量が多ければ甲状腺がんを引き起こす可能性もある。 高田教授は事故後の4月8、9日、同県内の避難所で、18歳~60歳代の浪江町民計40人の甲状腺被曝量を測定した。結果は3・6~7・8ミリ・シーベルトで、平均は約5ミリ・シーベルトだった。一方、チェルノブイリの周辺住民は、数シーベルトから50シーベルトとされている。
停止中の原子力発電所について「安全性を確認できた原発の再稼働が必要」と強調した。 中長期的にも「一定の役割を果たせるよう国民の信頼回復に全力を尽くすべきだ」と提言した。 政府が年内にまとめるエネルギー政策に関する基本方針についても、安定的な供給を重視すべきだとし、再生可能エネルギーに対して「過大な見通しを立てるべきではない」と指摘した。
【ニューヨーク=小谷野太郎】日立製作所は10日、フィンランドで計画されている原子力発電所の受注に向け、原発の設計・建設会社の米フロー(本社・テキサス州)と提携したと発表した。 日立と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原子力事業の合弁会社は、フィンランドの電力会社が同国オルキルオトで計画している原発建設で、最新型の沸騰水型原子炉(ESBWR)の受注をめざしている。ESBWRは高出力の上、事故などで電源を喪失しても原子炉上部の水槽から冷却水が自然循環するシステムを備えるなど、安全性を高めた次世代炉だ。日立とGEはポーランドなどへもESBWRを売り込みたい考えだ。
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