第24回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞した「ニュクスの角灯(ランタン)」 。出版元であるリイド社(東京都杉並区)の編集者・中川敦さんは、作者の高浜寛(たかはま・かん)さんについて「オリジナリティーがあり、芸術的でもあり、高浜さんしか描けない作品を描いてきている」と話します。ネーム段階では「ほとんど何も言うことがなかった」と語る中川さんですが、伴走者として、ファンとして、「大事に話し合った」設定が一つだけありました。 ※本文には作品のネタバレが含まれます。 「ニュクスの角灯」 1878(明治11)年、長崎。西南戦争で親を亡くした美世(みよ)は、道具屋「蛮(ばん)」で奉公を始める。ドレス、ミシン、小説、幻灯機……店主・小浦百年(ももとし)がパリ万博で仕入れてきた西洋の文物を通じ、美世は“世界”への憧れを抱くようになり……。文明開化の最前線にあった長崎とジャポニスムの最盛期を迎えつつあるパリを
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