近年、日本のゲーム会社から海外進出のご相談をよくいただくようになりました。そこで今回のコラムでは、AppLovin本社のブログに、アメリカのゲーム業界のコンサルタントであるJosh Burns氏が投稿したコラムを、AppLovin日本法人の林が日本の読者の皆様向けに編集してお届けします。 もしあなたが日本以外でゲームをリリースする新たなマーケットを探しているなら、東南アジアは魅力的なマーケットでしょう。急速に成長を遂げており、調査会社「Newzoo」によると、東南アジアのゲームアプリの売上高のCAGR(Compound Average Growth Rate:年間平均成長率)は +45.3%で、世界全体の成長率の3倍となっています。多くの専門家が、モバイルゲーム市場の次の中国的な存在として東南アジアに注目しています。米国や中国、韓国は既に「レッド・オーシャン」と化し、競争が激しさを増してい
comceptが贈る密かなヒット作『おっさん☆たまご』 プロデューサーに聞く、じわじわと来るアプリ開発の裏側・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第32回 グローバルレベルで活況のアプリ市場。あらゆるジャンルのゲームがリリースされる中で、いわゆる「キモカワ」系ゲームのリリースもおこなわれています。その中でも200万ダウンロードを突破したのが『おっさん☆たまご』シリーズ。 続編が控える同作が如何に生まれたのか、広告費をほとんどかけることなく、如何に盛り上げていったのか、その点について同作プロデューサーの富田直哉氏にお話を伺いました。 ―――そもそもなぜまず『おっさん☆たまご』(以下、『おったま』)という企画が生まれたのか教えてください。 富田直哉プロデューサー: 2012年10月ごろ、弊社の矢杉佳一郎ディレクターがなんとなく「ゆでたまご」をテーマにしたアプリをつくりたいと考えていて、で
ゲーム開発者は日々「楽しさ」を創り出すために努力しています。ゲームの「楽しさ」は「売り上げ」として数値換算され、社内で評価されます。しかしゲームを販売する前に楽しさが客観的な指標で示せれば、多くの無駄が省けるでしょう。より楽しいゲームを作る上でも、重要な指標になることは、言うまでもありません。 それでは、ゲームの楽しさは計測可能なのか。情報処理学会エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会とのコラボセッション「『楽しさ』の設計と評価〜我々はどこで失敗し、どこへ向かうのか」では、この全エンタテインメント関係者が渇望してやまないテーマについて、パネルディスカッションが行われました。 ■何のために楽しさを計測するのか モデレータをつとめたのは京都工芸繊維大学の准教授で、情報処理学会EC研究会で主査もつとめる倉本到氏です。パネリストはユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平氏、関
9月2日、CEDEC2014にて「自主制作ゲームの国内・海外展開とメディアミックスの現状と課題」と題された講演が行われました。先日のSCEJAのカンファレンスでもPS4から同人ゲームのリリースが発表され、国内でもインディーゲームや同人ゲームは盛り上がりつつあります。本講演では国内の著名なインディー・同人ゲームの制作者を招き、国内市場、グローバル展開、メディアミックス等についてのパネルディスカッションが行われました。 まず司会をつとめるIGDA日本の七邊信重氏が今回のパネルディスカッションの意義とともに、IGDA日本の紹介を行いました。IGDAとは国際ゲーム開発者協会というゲーム開発者個人を対象にした団体です。世界で1万人以上の会員を有する団体であり、IGDA日本はその支部です。 2002年に発足したIGDA日本は、それぞれ専門となる部会(SIG)を中心として勉強会やワークショップなどを
株式会社degGの下田賢佑氏は「脱「プランナー」〜ゲームデザイナーの仕事〜」と題された講演を行いました。本講演ではゲームデザイナーとしての下田氏のキャリアを振り返ることで、ゲームデザインとは何か、そのために必要なスキルは何かについて説明されました。また日本のゲーム産業の慣行になっているゲームプランナーという職種に異議を唱えるという啓発的内容でもありました。 下田氏は2005年にスクウェア・エニックスに入社して『ファイナルファンタジーXI』の開発チームでゲームデザインとイタレーション開発を学びました。その後、コーエーでオンラインゲームの運営を経験して、2009年に独立。2011年からUnityによるゲーム開発に集中しており、サイバードよりリリースされた『バーコードフットボーラー』のリードゲームデザイナー、スクウェア・エニックスよりリリースされた『ファイナルファンタジー アギト』の共同ゲーム
『LA-MULANA 2』のNIGOROに聞く「OPTPiX SpriteStudio」がインディーゲーム開発で使われる理由・・・「OPTPiXを256倍使うための頁」第3回 ■LA-MULANA2 〜「自分たちが好きなゲーム」で26万ドルを調達〜 世界的なムーブメントを巻き起こしているインディー(独立系)ゲーム。背景にあるのは「高性能な無料ゲームエンジンの普及」「App StoreやGoogle Playなどのアプリマーケット拡大」などの要因です。さらに近年では、Kickstarterをはじめとしたクラウドファンディングが加わりました。インディーゲームにとって、これまでネックだった資金調達面における選択肢が広がり、ますます盛り上がりを見せようとしています。 しかしクラウドファンディングを原資としたゲーム開発では、一定期間で「確実に」ゲームを完成させることが求められます。事前に多くのユ
今年の東京ゲームショウ(以下TGS)では、インディーゲームコーナーが新たに設置されて、同人ゲームやインディーゲームなどの自主制作ゲームに関わる状況がますます盛り上がっています。そこで今回、IGDA日本理事の小野憲史氏の呼びかけで、今秋に開催される代表的な自主制作ゲームのイベント主催者による座談会が開かれました。それぞれのイベントの趣旨や特徴、自主制作ゲームの今後について存分に語っていただきました。 参加者はTGSインディーゲームコーナーの企画協力をされた七邊信重氏、東京ロケテゲームショウ主催者の大澤範之氏、同人サークルD.N.A.Softwaresの代表でデジゲー博を主催する江崎望氏、株式会社ドワンゴでニコニコ自作ゲームフェスを主催する伊豫田旭彦氏、TGSでインディーズゲームフェスを主催したユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹氏、東京ロケテゲームショウの協賛を行っている株式会社ウ
3回目を迎える東京ロケテゲームショウ!ロケテの聖地に同人・インディーゲームが一堂に会する 主催者と出展社が語るイベントの意義と未来 11月9日に開催される東京ロケテゲームショウは、IGDA日本が主催する自主制作ゲームの認知度向上と開発者の交流、およびゲームの評価機会を提供する目的のイベントです。これまでに既に2回開催されており、日本の同人ゲームやインディーゲームに関心が高い人には毎年恒例のイベントになりました。 第3回目の開催に際して、出展者のIGDA日本の大澤範之氏と戸崎茂雄氏、出展者の有限会社スタジオインデックスの川瀬真生氏と寺門明房氏、同人サークルぜろじげん代表のマサシロウ氏の5名にインタビューを行いました。 主催者が「ロケテ」という言葉に込めた思い、法人、同人サークルから見た本イベントの意義などについてお話をしていだきました。なお出展者は現在も募集中。詳細は公式サイトをご覧くだ
今やゲーム開発になくてはならない存在となった、各種ゲームエンジンやミドルウェア。コンソールのAAAタイトルからスマホ向けソーシャルゲーム、はたまた個人開発者やインディーズゲームまで、さまざまな分野で使用されています。ツール&ミドルウェアの祭典「GTMF2013」を前に、世界を代表する4社の代表者に集まっていただき、ゲームエンジン&ミドルウェアを取り巻く現状や将来像などについて、たっぷりと伺いました。 ■出席者 エピック・ゲームズ・ジャパン 河崎高之 シリコンスタジオ 川瀬正樹 Havok アルノ・サンマルタン/萬本忠宏 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン 大前広樹 ■ゲームエンジン・ミドルウェアから見た業界の現状 ―――はじめに自己紹介も兼ねて各社製品の特徴を教えてください。 アルノ Havokのアルノ・サンマルタンと申します。アジア地域のリージョンディレクターを担当してい
今回のGDCで任天堂は2つの開発者向けセッションを予定。最初に行われたのは「Nintendo Wii U Application Development with HTML and JavaScript」(HTMLとJavaScriptを使ったWii Uアプリケーション開発)と題したセッション。講師は任天堂の環境制作部の島田健嗣氏です。 Wii Uの最大の特徴であるWii U GamePadは、手元にある第2のスクリーンとして、テレビ画面と連携することによって、多くの人々と体験を共有しながら、操作性の良さを同時に実現することができます。任天堂は昨年末の発売から、ゲームソフトだけでなく、『YouTube』や『ニコニコ動画』、あるいは『Wii Street U』といったアプリケーションをリリースしてきました。これらは元々、ウェブサービスとして提供されているものですが、リビングでの体験へと変化
先日、PCゲーム配信プラットフォームSteamと『LA-MULANA』の発売日を決める相談をしていた時の出来事です。 発売する日にちを決めるだけのことですが、発売日が、商品の成功や失敗を決めてしまうこともあるので、とても重要なことです。 今回は日本のインディーズゲームを初めてSteamから配信し、全世界に届けられるチャンスを頂いているので、必ず成功させなければならないと、集中し頭を悩ませながらスケジュールを組み立て、こちらからいくつかの日程を提案しようとした際に、Steamの担当者から来た返答にとても驚きました。 「発売日なんて決める必要ないんじゃない?ユーザーのために素晴らしい、エキサイティングなゲームを作ってくれるのであれば、発売日はいつでも合わせるよ。良いゲームというのは、いつだって売れるものだから。」 私が驚きの表情をしているのを見て、弊社のスタッフが笑いながら、「この文書
2月28日開催の「黒川文雄の黒川塾・六」にてゲーム開発プロジェクトを発表しました。 タイトルは『モンケン』です。ゲーム内容は、人質をとってビルに立て籠もるテロリストにモンケン(鉄球)でビルを破壊して人質にダメージを与えず開放することがミッションです。 テーマですが、「ビル破壊 解体&人質解放アクションゲーム」です。ビル破壊のカタルシスと人質救出というゲーム的な要素をミックスしたものです。展開するデバイスは、パソコンを最初に想定していますが、スマートフォンやタブレットなどのタッチデバイスでもプレイできるようにしたいと思っています。導入時期は今年の夏で、ターゲットは世界です。 ここに至る経緯は色々とありますが、まずは自分自身で何ができるかという点が根源的な課題でした。音楽や映像、ゲーム、オンライン、など様々なエンタメを体験してきたものとしてのナレッジや経験を活かせないだろうかという点でし
家庭用ゲーム開発のサウンド制作においてデファクトスタンダードの地位にある、CRI・ミドルウェアの「CRI ADX2」。最初の製品から数えれば約15年の歴史がある製品が 「CRI ADX2 LE(エルイー)」として、非商用や小規模プロジェクト向けに無償提供されることになりました。 プロの開発現場で利用されている製品を広く公開しようという取り組みは大きな反響を呼びました。GameBusiness.jpではCRI・ミドルウェアで営業を担当する及川直昭氏、製品の開発を担当した櫻井敦史氏に提供の背景や狙いについて聞きました。 ―――「ADX2」が非商用向けに無償提供されるというのは大変な驚きでした。どういった背景があったのか教えてください 及川: 商用のゲーム開発だけでなく、非商用でも「ADX2」を使いたいという要望は以前から実はありました。プロの方がプライベートでゲーム開発をされたり、学校
1月11日、エンタテインメントの未来を考える会の「黒川塾(伍)」が開催されました。「黒川塾」は、セガ、デジキューブ、ブシロード、NHNJapanなどを遍歴してきた黒川文雄氏がナビゲートするエンターテイメントの未来を考えるイベント。会を重ねることにより、確実に認知度が高まっており、会場には早い時間から参加者が集いました。 新年一発目のテーマは「次世代型ゲーム開発論」。2012年はソーシャルゲームを中心にスマートフォンでのゲームが大きく成長した年でしたが、マルチプラットフォーム化するゲーム業界の世界で次世代的なゲーム開発の在り方について著名な業界人たちが話し合いました。 登壇者は黒川氏を入れて5名。イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役のやまもといちろう氏は、数多くのゲーム開発・運営にたずさわりながらもブロガーとしても有名な論客。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの日本担当ディレクター
インディーゲーム激動の年と言ってよかった2012。本日は、indiegames.com の報じた”インディーゲーム開発者” として活動していく上で大切なことを "教訓 (Lesson)" というかたちで 5 つ紹介する記事を紹介します。 ニッチからマスへと立ち位置を移動しつつあるインディーゲームシーン。あの話題タイトルのクリエイターは今、何を思っているのでしょうか。 1 インディー精神を持ち続けよう 最初は「Spelunky」の作者 Derek Yu 氏が掲げた "教訓"から。Yu 氏はこれまで大きな課題だった開発資金と配信チャンネルの確保がデジタル配信プラットフォームの登場によって敷居が劇的に下がったことを述べた上で、それは同時に、これまでにない競争の始まりでもあったと語ります。そして数多のゲームが市場にリリースされた結果、凄まじい数のインディーゲームと肩を並べながら、他タイトルの
英語圏最大のゲーム開発者向け情報サイト Gamasutra が報じた、2012 年のゲーム業界人 50 選 に日本企業からは 3 社 4 名の方が選出されました。 同記事では、2012 年にゲーム産業のさまざまな分野において革新や変化をもたらした人物を 50 人選出し、その功績を紹介するものです。50 人の中には Unity Technologies 社の Joachim Ante 氏らと並び、日本からゲームデザイン部門でモノリスソフトの高橋哲哉氏と小島幸氏、ビジネス部門で Active Gaming Media のイバイ・アメストイ氏、Evangelism(直訳で "熱心な活動")部門でカプコンの小野義徳氏が選出されています。 ゲームデザイン部門で選出されたモノリスソフトの両氏は『Xenoblade』(ゼノブレイド)において、従来の JRPG という枠の中で作りこむのではなく、現世代
雑誌「WIRED」は、1993年に創刊されたテクノロジーが開拓する未来をテーマにすえた個性的な雑誌です。US版の編集長、クリス・アンダーソンはロングテールなどの概念を提唱するなどインターネット以降の我々の社会や文化に影響力を持つ人物です。近著の「MAKERS」では誰でも商品の製造が可能な「21世紀の産業革命が始まる」と提言、先日11月9日には日本での講演も行ないました(期間限定で動画も配信中)。 一方、日本版「WIRED」は、年4回雑誌の刊行を行なうと共に、テクノロジー、教育、医療、文化、ファッションといった様々なトピックについてウェブサイトで発信しています。今年2012年の4号目になるVOL.6では、『THE AGE OF GLOBAL GAMING』と題した特集において「ゲームの世界標準」を探っています。内容は日本のトップクリエイターの水口哲也氏の未来予測から、海外のゲームの最前線を
先月、東京ゲームショーの会場で、グリーのブースを取り囲む美しいコンパニオン達に目をやりながら、ここ数年の日本のゲーム業界について考えていた。そういえば、海外のゲーム記者に「TGSで一番見るべきものはコンパニオンだ」と、冗談で言われたこともあったなと思いつつ、日本のゲームの国際化に人生を捧げる私は、日本のゲーム業界について考える度に、どうしても"今の日本のゲームを海外に持って行けるか"という見地から考えてしまう。 海外でのゲーム展開は、海外旅行に例えることができる。旅行者のタイプも星の数ほどあり、例えば、バックパッカーがいる。彼らは10代〜20代が多く、お金は持っていない。ゲーム業界で言うところのバックパッカーたちは、ほとんどお金をかけずにゲームをつくり、できれば1円も使わないで海外展開を狙うのだ。もう少し上のランクになると、旅行好きのOLさんたちになるだろうか。バックパッカーたちと違い、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く