地図で見つけた道だった。そこでは県道なのか市道なのか、林道なのかそれとも登山道なのかわからなかった。わかったのは「こんなところに道がある」という事実であり、それをたどった結果、「つながっている」ことから湧いた興味だった。 道は現在のみどり市、かつての大間々町から北へ向かっていた。大間々から北へ向かう道は、一般的な交通に使われる道としては二本あって、ひとつは国道122号、もうひとつが県道257号である。いずれも渡良瀬川に沿うよう敷設されていて、おもに右岸を行くのが国道122号、川を挟んで左岸を県道257号が通っている。県道257号は桐生市内、かつての黒保根(くろほね)村の八木原という地区で渡良瀬川を渡って国道122号に合流してしまうが、県道257号から分岐した市道が引き続き左岸を北上して上流の草木ダムまで続いている。この右岸左岸の道路陣形で栃木県との県境手前、沢入(そうり)という場所まで続い