日経新聞文化部、諸岡良宣記者がりんたろう監督にインタビューした記事の要旨。 初めてテレビシリーズ「鉄腕アトム」(1963年~)で演出を手がけ、劇場版「銀河鉄道999」(1979年)では大人向けのアニメで勝負に出た。映画「幻魔大戦」(1983年)の時は大友克洋君と組み、キャラクターや背景の細部のリアリティーにこだわった。 アニメにかかわる皆が挑戦を繰り返し、その冒険の積み重ねが表現を成熟させ、70~80年代に日本アニメは頂点を迎えた。 技術的な面では「鉄腕アトム」や「鉄人28号」(1963年~)で育った子供がこの世界に入ってきた。その中から押井守君のような優秀な監督が次々と出てきて、さらに技術に磨きがかかる。あのころのワンカットは緻密で、世界に誇れる文化だった。 最近は細部の技術は上がったが、ベースは70~80年代のままで保守的。「子供に見せるな」と言われた昔と違って、日本のアニメが