東日本大震災の被害が大きい自治体で、被災者に「見舞金」名目で独自に現金を支給する動きが出てきた。額は1世帯当たり2万~10万円程度。義援金などの支給が大幅に遅れる中、家財を失うなどした住民の生活の困窮が背景にある。 宮城県では塩釜市、名取市、岩沼市、山元町などが支給を決めたほか、岩手県でも洋野町が最大10万円の支給を表明。塩釜市は「少しでも早く必要なお金を渡したい」とする。 被災者に現金を支給する支援策では、1世帯最高300万円を支給する「被災者生活再建支援金」がある。しかし、支給に必要な「罹災(りさい)証明書」の発行が大幅に遅れている。義援金支給もめどが立っていない自治体が多い。 独自に現金支給する自治体はまだ少数。支援策がない仙台市の女性(53)は「残念。通帳も印鑑もすべて流され、10円、1円の金でも欲しい」と涙ぐんだ。